再諮問など異例の経過たどったが…「国の要件満たしている」 米盛病院、救命救急センターに指定へ 鹿児島県内4カ所目、塩田知事きょう表明
鹿児島県が救命救急センターに米盛病院を指定する方針を固めた。
救急医療体制や指定施設集中に疑問が相次ぎ、慎重な判断を求める答申が出された。
医療関係者の反発もありながら、県知事は対応を進める姿勢を示している。
鹿児島県は、県内4カ所目となる救命救急センターに鹿児島市の米盛病院を指定する方針を固めた。複数の関係者が明らかにした。塩田康一知事が19日の定例会見で表明する見通し。
県関係者の一人は「県内にあと2~5カ所必要という方向性は打ち出しており、県の3次救急医療に寄与するとの判断。国の要件を満たしている以上は指定しなければ」と語った。
救命救急センターは、脳卒中や急性心筋梗塞など複数の診療科にわたる重篤患者を24時間受け入れる。県内では鹿児島大学病院(鹿児島市)、鹿児島市立病院、県立大島病院(奄美市)が指定されている。
県は米盛病院の申請を受け、「国の要件を満たしている」として昨年12月に県医療審議会に諮問。医療関係委員から、同病院の救急医療体制や鹿児島市に指定施設が集中することに疑問が相次ぎ、今年3月に再諮問する異例の経過をたどった。賛否併記する答申の取りまとめも遅れ、今月11日に「安易に指定すべきではない」として慎重な判断を求める答申が出された。
塩田知事は6月県議会で医療審議会や常任委員会の議論を踏まえ、「速やかに対応する」と答弁。その後の県知事選で、県医師連盟が塩田氏の推薦を取り下げるなど医療関係者が反発していた。