青森の統合新病院「県営スケート場一帯」案

AI要約

青森県立中央病院と青森市民病院の統合新病院の候補地として、青森市浜田の県営スケート場一帯が提案されている。

県はこの場所を選定した理由として、幹線道路へのアクセスが良い点を重視しているが、市は難色を示している。

他の候補地には、青い森セントラルパークがあり、検討が進められていたが、諸条件からスケート場一帯案が浮上した。

青森の統合新病院「県営スケート場一帯」案

 青森県立中央病院と青森市民病院の統合新病院を整備する候補地を巡り、県が市に対して新たに、青森市浜田の県営スケート場一帯を提案していることが17日、複数の関係者への取材で分かった。幹線道路である国道7号環状線(外環状線)に接し、青森自動車道のインターチェンジにも近く、全県からの交通アクセスに優れている点を重視している。実現には県営スケート場を取り壊す必要があるが、移転先などは示されていないもようだ。一方、市は提案に難色を示しているという。

 県営スケート場は、建物を県、土地を市が所有している。敷地面積は約4万3千平方メートル。隣地には屋内グラウンドのサンドーム(市有地、約1万5千平方メートル)、浜田中央公園(市有地、約3万平方メートル)があり、県はこれらの敷地も含んだ整備を提案しているとみられる。

 スケート場一帯案を県が市に提示したのは今月10日。複数の関係者によると、従来の候補地の一つである青い森セントラルパーク(県所有、約7万4千平方メートル)について、八甲田大橋から車で直接アクセスするためには橋の架け替えが必要になり、膨大な費用を要する-などと主張したという。

 奈良英文・市民病院事務局長は17日の取材に対し「市の施設であり、現在も利用されているサンドームや浜田中央公園を含むプランでは承知できない部分があるので、県への事務的な確認を進めている」と話した。荒関浩巳・県病院局長は「現時点で申し上げられることは何もない」と語った。

 新病院の候補地を巡り、市は、まちづくりの視点で検討してほしい-との宮下宗一郎知事からの要請を受け、昨年11月に「検討会議」を設置。3万平方メートル以上の県有地、市有地をリストアップし検討を重ねてきた。その結果、青い森セントラルパークを支持する声が最も多かった。

 検討会議では、今回提案があったスケート場一帯が利用中であるため候補に入れていなかった。この時点で県からスケート場一帯案の提示はなかった。

 今年5月に開催された県と市による「有識者会議」(昨年10月設置)では、セントラルパークに比べ渋滞の心配が少ないとされる外環状線沿いで再度候補地を探すよう求める声が複数上がっていた。整備候補地ではほかに「旧青森商業高校と県立中央病院跡地」「県総合運動公園」もある。

 県は近く、有識者会議にスケート場一帯案を提示する方針とみられる。