いじめ把握から7か月で“重大事態” 余儀なく転校「学校信用できない」女子児童と保護者、芦屋市提訴

AI要約

兵庫県芦屋市立小学校でのいじめ問題に関する裁判が始まった。いじめ被害が長期化し、転校を余儀なくされた女子児童の保護者が損害賠償を求める。

女子児童は同級生からいじめを受け、不登校になった。学校側がいじめを認定したのは遅れており、女子児童は転校を余儀なくされた。

保護者は学校や市の対応に不満を示し、被害が深刻化し続けていることを訴えている。

いじめ把握から7か月で“重大事態” 余儀なく転校「学校信用できない」女子児童と保護者、芦屋市提訴

 兵庫県芦屋市立小学校に通っていた当時4年の女子児童が、他の児童からいじめを受けていた問題で、学校や市教委の重大事態の認定が遅れたためにいじめの被害が長期化し、転校を余儀なくさせたことについて、保護者らが16日、慰謝料など合計約540万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。

 訴状などによると、女子児童は当時4年だった2021年、 同級生から「消えろ」「死ね」「地獄へ落ちろ」と書かれた携帯電話のメッセージを見せられるなどのいじめを受けて不登校になった。

 学校側がいじめの「重大事態」と認定したのは、いじめの存在を把握してから約7か月後で、女子児童は5年生の3学期に転校した。

 保護者は「学校や市は消極的な対応に終始したことでいじめの認定が大幅に遅れ、いじめが何度も再発し、被害が深刻化、長期化した。その結果、転校を余儀なくされた」と主張している。

 児童の保護者は提訴後、「加害者が守られ、娘だけがいろいろなものを失って苦しんでいる。摂食障害と(これに起因するとみられる)体重の減少は一定程度改善したものの、心の傷は深いまま。今も通院している。転校したから終わりではない。学校や市の謝罪もなく、ずっと気持ちを踏みにじられている。本当に子どもに寄り添っていたのか、これまでの対応を見直し、根本的に変わってほしい」と話した。

 保護者によると、女子児童は「大人(先生)、学校は信用できない。二度と行きたくない場所」と話しているという。

 芦屋市教育委員会は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。