スタジアムシティ開業まで3カ月 リージョナルクリエーション長崎・岩下社長 「満足度を追及」【インタビュー】

AI要約

長崎スタジアムシティが10月14日に開業予定で、工事進捗率は96・1%。商業やオフィスの入居状況も良好で、事業費は1千億円近くに上昇している。

開業前にはバスケットボールやサッカーの公式戦が控えており、開業前日には福山雅治さんのライブが開かれる予定。反響も大きく、28万件を超える応募があった。

交通渋滞への懸念もあるが、公共交通機関との連携が進んでおり、パークアンドライドなどの対策が取られている。

スタジアムシティ開業まで3カ月 リージョナルクリエーション長崎・岩下社長 「満足度を追及」【インタビュー】

 サッカースタジアムやアリーナを備えた大型複合施設、長崎スタジアムシティ(長崎市幸町)が開業する10月14日まで3カ月を切った。運営するジャパネットグループ、リージョナルクリエーション長崎(同市)の岩下英樹社長(43)がインタビューに答え、追加の設備費用の増加などで当初900億円規模とした事業費が1千億円近くに上昇していると明かした。「お客さまに楽しんでもらうため」と、来場者の満足度を追求する考えを語った。

 -工事は計画通りか。

 6月末時点の工事進捗(しんちょく)率は96・1%でほぼ予定通り。ただ、この数字は「箱」の進み具合。引き渡された後も開業ぎりぎりまで内装工事などは続く。

 -商業テナントやオフィスビルの入居状況は。

 商業に関しては9割を超えて残り数区画。オフィスに関しては90%を少し切っているが、一般的には完成後の内覧で決めるケースが多いはず。開業までに100%になればと思う。

 -公表されている事業費は900億円規模。物価高騰など社会情勢が変化している。影響は。

 現在は1千億円に近い900億円台。(原材料費などの)価格高騰も要因の一つだが、事業を進める中でお客さまに楽しんでもらうために「あれもやりたい」「これもやりたい」ということで外せなかった費用がたくさんある。例えばICT(情報通信技術)。一時的には事業費は上がるが、お客さまの利便性は向上し、将来的に人件費を減らせる。

 -開業前にバスケットボール(10月4、5日)とサッカー(同6日)の公式戦も控えている。

 (開業が迫り)ワクワクが半分、一方で焦りみたいな感じもある。一つ一つのシステムやオペレーションに対して何がベストかをスタッフみんなで追求している。プレ期間でもお客さまを受け入れる以上、本番と等しい環境でやらなければと思っている。

 -開業前日に開く福山雅治さんのこけら落としライブの反響は。

 大きい。応募は28万件を超えた。9割が「同行者あり」の申し込みだったので、希望者は50万人超ということになる。全体の約5割は県内で地元に注目してもらっているのを強く感じている。

 -渋滞を心配する声は多い。

 この領域はリージョナルやジャパネットだけでは解決できないことも多い中、公共交通機関の皆さんとの連携が強固に築けつつある。パークアンドライドなどいろんな対策があるが、できるだけ公共交通機関を利用してほしい。

 長崎商工会議所に長崎スタジアムシティ特別委員会がある。先日、委員や県、長崎市の皆さんと(広島市中心部にある)エディオンピースウイング広島を視察した。J1の試合があり、観客は約2万5千人。駐車場の台数が限られており、公共交通機関を利用している人がほとんど。参考になることが多く、長崎に置き換えたらどうなるかをシミュレーションしている。