1万人に1人の乏毛症・縮毛症 娘のウィッグを受け取った母「どれだけ大変なことか」3年伸ばした髪を寄付

AI要約

6歳の女の子が生まれつきの髪の悩みを抱え、母親が自らの髪を寄付することを決める

専門医の不在や費用面で診断が難しい先天性の毛髪疾患に悩む家族が多い

日本人1万人に1人いる乏毛症・縮毛症について、原因不明で悩む人が多い可能性がある

1万人に1人の乏毛症・縮毛症 娘のウィッグを受け取った母「どれだけ大変なことか」3年伸ばした髪を寄付

生まれつき髪がまばらにしか生えず、縮れてしまうという悩みを持つ6歳の女の子、呉屋心陽(ごや・こはる)ちゃん。

母親の麻里さんは、悩みを抱える娘のために、自らの髪を寄付する「ヘアドネーション」することを決めました。そこにはこれから成長していく娘への想いが込められていました。

■生まれつきの強い縮毛 普通のブラシは通らない

歌とダンスが得意で、おしゃれが大好きな心陽ちゃん。生まれつき、髪がまばらにしか生えず縮れてしまうという悩みを抱えています。

▽心陽ちゃんの母 麻里さん

「普通のストレートの(髪質の)人が使うブラシだと抜けてしまうので、かなり選んでこのブラシにいきついた。なるべく抜けないように」

母親の麻里さんは初めての出産で分からないことも多いなか、不安も大きかったといいます。

▽心陽ちゃんの母 麻里さん

「生まれてくれて嬉しいのと、なんだろうこれ、っていう不安が一気に押し寄せてくる感じがあって、親としてどうなのかと思うんですけどやっぱり最初はどうしても受け入れられない現状があって、(受け入れるまで)時間は結構かかりました」

そこから両親は、全国で同じ症状を持つ人と繋がり、心陽ちゃんが先天性の毛髪疾患である可能性が高いことが分かりました。

しかし県内には専門医がおらず、遺伝子検査を受けるには県外に行く必要があったため、心陽ちゃんはまだ診断がついていない状況です。

悩んでいる人は少なくない

▽心陽ちゃんの母 麻里さん

「近いところで九州に専門としている先生がいるようなんですけど、そこに行くまでには渡航費や検査費用も高額になり、小さな子どもを連れていく、このハードルの高さというのはなかなか乗り越えることができていない」

山口大学大学院・医学部皮膚科の下村裕医師によると、先天性の毛髪疾患は分かっているだけでも100種類以上あるといいます。

▽山口大学大学院・医学部皮膚科 下村裕医師

「先天性の毛髪疾患は幅広い。髪の毛が少ない、縮れている、あるいは体じゅうに毛がある多毛症、そういう色んなバリエーションがあって、そのなかでも髪の毛が少ない、あるいは縮れている乏毛症・縮毛症の方が多い」

日本人のおよそ1万人に1人いるといわれる「乏毛症・縮毛症」。

下村医師は、症状がありながらも原因が分からず、悩んでいる人も多くいる可能性があると話します。