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スナイプ…未来の医療を担う最先端技術~『ブラックペアン』監修ドクターが解説 vol.7&8~
二宮和也主演の『ブラックペアン シーズン2』について。治験やスナイプの解説を通じてドラマの医療背景に迫る。
治験は新薬や医療機器の有効性や安全性を確認する試験であり、厚生労働省の審査を経て使用される。
僧帽弁の治療やスナイプについて、心臓の部屋や血液の流れ、疾患の種類について詳細に解説。
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二宮和也主演で6年ぶりに日曜劇場に帰還する『ブラックペアン シーズン2』。シーズン1に引き続き、医学監修を務めるのは山岸俊介氏だ。前作で好評を博したのが、ドラマにまつわる様々な疑問に答える人気コーナー「片っ端から、教えてやるよ。」。シーズン2の放送を記念し、山岸氏の解説を改めてお伝えしていきたい。今回は「治験」「スナイプ」についてピックアップする。
※登場人物の表記やストーリーの概略、医療背景についてはシーズン1当時のものです。
■治験とは?
開発中の新しい医薬品や医療機器を、患者や健康な人に使用してもらい、データを収集して有効性(効果)や安全性を確認する試験で、この「新薬開発、新医療機器開発」の為の「治療を兼ねた試験」を治験と言います。人数や被験者の条件を変えて綿密な試験が行われ、この結果が厚生労働省で審査され、安全でかつ効果があると判断されたものが販売、使用を承認されます。
■“スナイプ”って?
ドラマに登場する高階が持ち込んだ“スナイプ”とはどんなものなのか、実在するかなど気になっている方も多いと思います。スナイプとは、ドラマの中で「僧帽弁の治療」に使用されるもの。そこで今回は「僧帽弁の治療に関して」をはじめ、「佐伯式とスナイプの違い」や「スナイプは実在するか」について、山岸先生に解説していただきます。
■僧帽弁の治療に関して
心臓には四つの部屋があり、それぞれの部屋の間には扉(弁)があります。血液の流れが一方向になるように仕切られています。
左の上の部屋を左心房(左房)、下の部屋を左心室(左室)と言います。左房と左室は僧帽弁という扉(弁)で区切られ、左室と大動脈は大動脈弁という扉(弁)で区切られています。肺で酸素を取り込んだ血液は左房に入り、左房から僧帽弁を通って左室に入り、大動脈弁を通って大動脈から全身に流れていきます。
僧帽弁の病気は主に2種類あります。
ひとつは僧帽弁狭窄症と言い、僧帽弁という扉が開きにくく、狭くなってしまう病気で、左房から左室への血流が流れにくくなってしまいます。
もうひとつは僧帽弁閉鎖不全症といって、扉が閉じてくれず、血流が左心室から大動脈に流れず、左房に逆流してしまう病気です。