遅い直球「いかに速く見せるか」変化球磨き、高校で初の公式戦マウンドで力投…延岡・甲斐柊平投手

AI要約

第106回全国高校野球選手権宮崎大会の4日目の結果を報告。宮崎日大、本庄、福島、都城が勝利し、福島は4番・河野の活躍と谷口投手の完投で勝利。延岡は甲斐柊平投手の力投も及ばず敗れた。

甲斐柊平投手が公式戦初登板で逆境を乗り越える姿を見せ、努力の成果を示す。変化球の磨きや新しい投球フォームを取り入れた取り組みが功を奏した。

打ち取れなかったが自分の投球スタイルを確立した甲斐柊平投手の試合結果を振り返る。努力と成長が見られる内容だった。

 第106回全国高校野球選手権宮崎大会は4日目の9日、1回戦の残り4試合がひなたサンマリンスタジアム宮崎とアイビースタジアム(ともに宮崎市)で行われた。宮崎日大、本庄、福島、都城がそれぞれ勝ち上がった。10日から2回戦が始まり、シード校が登場する。

 福島は3安打3打点の4番・河野をはじめ打線が好調だった。先発の谷口が要所を締めて完投した。延岡は三回、浜松の適時三塁打などで一時逆転するも、その後は好機で一本が出ず。

 延岡3年の甲斐柊平投手が、高校生になって初めて公式戦マウンドに立つ機会は3点リードされた六回にやってきた。二死二、三塁のピンチ。「絶対抑え、攻撃につなげたい」。3番手として登板した右腕はカットボールで三振に抑え、この回無失点で切り抜けた。

 中学でエース。だが、高校に入ると120キロを超える球をどんどん投げるチームメートに比べ直球は遅い。制球力も課題で、公式戦の登板機会はなかった。

 いかに直球を速く見せるか――。行きついたのが変化球を磨くことだった。半年ほど前から、曲がり方が異なる2種類のスライダーなどを習得。球速差で打者のタイミングをずらせるようになった。制球力などを高めるため、腕を横側から出す新しいフォームも身につけた。

 この日は2回1/3を投げ、失点1。三振を二つ奪う力投だった。「自分のピッチングスタイルをやっと見つけ、打ち取ることができた」。目指した勝利はならなかったが、努力のあとをしっかりと見せた。(山畑壮起)