新型コロナ「第11波入り」 5週間で感染者3倍 「流行意識した対策が大事」と専門家、でも「マスクは無理して着けなくてもいい」 鹿児島県内

AI要約

鹿児島県内で新型コロナウイルス感染が拡大しており、県内の感染者数が急増している。専門家らは第11波が到来したと指摘し、感染対策の徹底を呼びかけている。

熱中症に注意しながら、市内の医療機関でも患者が急増しており、様々な症状での受診が増えている。県内各地で感染者数が増加している状況である。

専門家は、コロナウイルスへの意識が薄れていることを指摘し、昨夏の第9波と類似していると述べている。換気やマスク着用など感染対策の重要性を強調している。

新型コロナ「第11波入り」 5週間で感染者3倍 「流行意識した対策が大事」と専門家、でも「マスクは無理して着けなくてもいい」 鹿児島県内

 鹿児島県内で新型コロナウイルス感染が拡大している。県が週ごとにまとめる1定点医療機関当たりの感染者数は6月24~30日で15.42人と、5週前の3倍近くに増加。厚生労働省の発表によると、全国では沖縄(29.91人)に次いで多い。専門家らは「第11波に入った」と指摘し、熱中症に注意しながら人混みでのマスク着用や換気といった感染対策の徹底を呼びかける。

 「どの年代でも増えている」と、鹿児島市の国東内科小児科の国東幹夫院長(58)は話す。1日に外来受診する約30人の1割程度が陽性という。熱や咽頭痛のほか、倦怠(けんたい)感や節々の痛みを訴える人が多い。発熱がない場合もある。

 県内89定点医療機関からの感染者報告数は1372人で、前週935人の1.4倍になった。1定点当たりの保健所別では、指宿(25.00人)、西之表(24.00人)、徳之島(23.40人)の順に多い。鹿屋(20.88人)、鹿児島市(19.83人)も県平均を上回る。

 県内科医会の有村公良会長(73)は「感染力が強く激増している印象。コロナが流行していることを自覚した行動を」と訴える。院長を務める同市の大勝病院でも6月末から患者が急増しているという。

 暑さで体調を崩しやすい時期。有村会長は体調不良の際はコロナ感染の可能性も考えて検査するよう呼びかける。「人混みではマスクを着用した方が安全だが、屋外では無理して着けなくてもいい。熱中症にも注意を」と助言する。

 感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「流行状況は昨夏の第9波と似ている。人の動きが活発化し、コロナに対する意識も薄れている。昨年を超える流行になる可能性もある」と指摘する。

 2023年5月~24年1月の国内のコロナによる死者は2万1000人を超えた。西教授は「コロナが終わったと思うのは間違い」と強調する。「室内ではこまめに換気し、体調に違和感があれば食事会などへの出席は避けて。発症や重症化、後遺症のリスクを下げるワクチンも有効」と話す。

 県によると9日時点で、県内医療機関での病床のひっ迫は報告されていない。県感染症対策課は「引き続き各保健所での注意喚起や基本的な感染対策の周知徹底に努める」としている。