福井県でカメムシ増加、2年ぶりに注意報発令 大型で養分吸引力が強い種が越冬、コメへの被害懸念

AI要約

福井県農業試験場が斑点米の原因であるカメムシ類の増加に注意を呼びかけ、注意報を発令した。

斑点米カメムシ類の増加が稲穂の養分を吸い、コメの品質を下げる要因となっていることが指摘されている。

今年は暖冬の影響で大型のホソハリカメムシの成虫が増加し、適切な対策が必要だとされている。

福井県でカメムシ増加、2年ぶりに注意報発令 大型で養分吸引力が強い種が越冬、コメへの被害懸念

 福井県農業試験場は7月9日、斑点米の原因となるカメムシ類が県内全域で増加しているとして注意報を発令した。特に大型のカメムシの増加が懸念されており、適切な防除対策を呼びかけている。注意報発令は2年ぶり。

 注意報が出された斑点米カメムシ類は稲穂の養分を吸い、コメの2等米以下への等級格落ち要因の一つとなる。6月に同試験場が県内各地ですくい取り調査をした際は、奥越地域の一部だけが増加傾向でその他の地域は平年並みだった。7月3~5日に行った調査では全域で増加がみられ、平年比1.37倍のカメムシを確認。注意報の目安となる1.3倍を上回った。

 同試験場によると、今年の特徴として大型で養分を吸う力の強いホソハリカメムシの成虫が暖冬のため越冬。一般的なカスミカメムシ類の増加と合わせて警戒が必要だという。出穂前の水田で苗で暑さをしのぐ姿が既に確認されており、同試験場は「今年はカメムシの種類、数ともに多く、早生(わせ)から晩生(おくて)の品種まで例年以上に被害が出る可能性がある。稲の生育に合わせて遅れないよう対策してほしい」と呼びかけている。

 最盛期は7月21~25日ごろで、対策として薬剤(粉・液剤)は出穂から3~5日後と10~14日後の2回、早朝か夕方に散布するほか、出穂期以降の草刈りはカメムシ類の水田内への侵入を助長するため行わないことなどを挙げている。