いじめを苦に自殺した札幌・中1女子生徒の両親が札幌市を提訴「娘を死に追いこんだ責任を自覚して」6500万円の損害賠償

AI要約

札幌市の中学1年女子生徒が自殺したいじめ問題で両親が札幌市を提訴

女子生徒は2年以上にわたっていじめを受け、自殺

いじめの内容や学校側の対応が問題視されている

両親は学校と市教委に責任を求め、およそ6500万円の損害賠償を請求

第三者委員会の報告書ではいじめの具体的な内容が明らかに

いじめ再発防止に向けた取り組みも注目されている

いのちSOSなどの相談窓口も紹介されており、心の支えを呼びかけ

いじめを苦に自殺した札幌・中1女子生徒の両親が札幌市を提訴「娘を死に追いこんだ責任を自覚して」6500万円の損害賠償

 2021年に自殺した札幌市の中学1年の女子生徒がいじめを受けていた問題で、学校側が2年以上にわたっていじめ被害を放置したとして女子生徒の両親が、5日札幌市を提訴しました。

札幌の市立中学校に通っていた当時中学1年の女子生徒は、2021年10月「いじめを受けた」という内容の遺書を残し、自ら命を絶ちました。

女子生徒は、小学生のころから同級生らに髪の毛を引っ張られたり、奴隷扱いされたりするなどいじめの被害を受けていました。

訴状によりますと、両親ら原告は、女子生徒がいじめによりうつ病を発症し、それを学校側が放置したことで症状が悪化して自殺に至ったと主張。

 学校側が遅くとも小学6年生の卒業前に女子生徒が学校の屋上に飛び出し、自殺を図った時点で健康状態の悪化を認識していたにもかかわらず、被害の相談を軽く聞き流すだけで心理的ケアや加害者への指導を行わずに、およそ2年間いじめ被害を放置し続けたとして、札幌市におよそ6500万円の損害賠償を求めています。

提訴にあたり、女子生徒の両親はコメントを発表しています。

・父親のコメント(一部)

娘はもう戻りません。

これまでの市教委の対応も含めて、私たち家族の精神状態はもうぼろぼろです。

いじめによって命を絶った娘への代償は計りしれません。

元担任を含め、学校の先生方や市教委には、娘を死に追い込んだことについて責任を自覚し、償ってほしいと思っています。

・母親のコメント(一部)

私は、もう二度と、娘の成長をそばで見守ることができません…

ずっといじめられ続け、いじめ被害を訴えても先生方が誰も助けてくれなかったことで、どれだけ娘が悩み苦しんでいたかと思うと、悔しくてなりません。

 女子生徒の自殺をめぐっては、去年12月、第三者委員会の調査報告書が公表され、女子生徒が小学生のころからいじめを受けていたことが明らかになりました。

しかし、この報告書の大部分が「黒塗り」で、女子生徒がどんないじめを受けていたかなど具体的な内容は伏せられました。

そのため両親はいじめの再発防止のために開示を求めると、今年2月改めて公表された報告書には、以下のようないじめの内容が記されていました。

▽小学校の時、仲間外れや「どれい扱い」されていた

▽中学入学後もいじめは続き、髪を引っ張られたり、靴を踏まれたりした

▽自殺する4か月ほど前「ねえねえ、なんで息してるの?」「首つって死んで」などとSNSのメッセージを受け取っていた、など

また報告書では、学校側の対応の不備も指摘しています。

▽小学6年時のアンケートで、いじめ被害を訴えていたにもかかわらず、学校や学級担任は面談などを怠る

▽小学6年時に女子生徒が「飛び降りる」「死にたい」と訴え、屋上に上がろうとした際、学級担任は女子生徒の「いたずら」として処理、など

◆いじめ相談窓口

厚生労働省は、「死にたい」「消えたい」「生きるのが疲れた」、そんな気持ちになったとき、専門の相談員が受け止め、いま必要な支援策を一緒に考える、下記のフリーダイヤルの活用を呼びかけています。

#いのちSOS 0120‐061‐338

いのちの電話 0120‐783‐556

よりそいホットライン 0120‐279‐338