市内でも新紙幣の流通始まる、真新しい札求め金融機関へ【宇部】

AI要約

新しい紙幣の流通が宇部市内でも始まり、金融機関には、新札を手に入れようと両替を申し出る人が多く訪れている。

宇部・山陽小野田地区の7店舗には、2億6250万円分の新札が用意され、喜びながらも負担や期待が寄せられている。

新札は20年ぶりに発行され、3Dホログラムなどの偽造防止技術が採用されている。

市内でも新紙幣の流通始まる、真新しい札求め金融機関へ【宇部】

 新しい紙幣の流通が宇部市内でも始まり、金融機関には、新札を手に入れようと両替を申し出る人が多く訪れている。西中国信用金庫宇部支店(片岡謙蔵支店長)にも両替を始めた4日は開店直後から多くの市民が次々に来店し、真新しい札を手にしていた。

 同信金の宇部・山陽小野田地区の7店舗には、第1便として1万円札2万4500枚、5千円札1400枚、千円札1万500枚の計2億6250万円分が用意された。

 第1号となった常盤町1丁目の川口照文さん(73)は喜びながらも「新しくなったのはいいが、特に中小企業では機械の対応で負担が増えるだろうし、それが最終的には消費者負担になることも考えられる。国がそこをフォローしているのか心配」と話した。

 病院帰りに両替に訪れた野原1丁目の松本武士さん(85)は「両替機などへの対応も大変だろうけど、新札発行が低迷する経済の復興へ起爆剤になれば」と期待した。

 同支店では、まだ十分に新札が用意できていないため、ATM(現金自動預払機)での両替は行わず、両替も1人につき1券種20枚までとしている。

 新札の発行は約20年ぶり。刷新されたのは1万円、5千円、千円の3券種で、新しい肖像はそれぞれ、近代日本資本主義の父と呼ばれる実業家の渋沢栄一、日本最初の女子留学生で女子英学塾(現津田塾大)創立者の津田梅子、近代日本医学の父と言われる細菌学者の北里柴三郎。

 今回の変更では、傾けると肖像が立体的に動いて見える3次元(3D)ホログラムなど、世界初の偽造防止技術を採用した。

 これまでの紙幣も引き続き利用でき、財務省と日銀は「従来の日本銀行券が使えなくなるとかたる詐欺に注意してほしい」と呼び掛けている。