高さ1mに積まれた新紙幣、現金輸送車に積み込まれ日銀を出発

AI要約

日本銀行は20年ぶりの新紙幣発行を始めた。肖像は渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎に決定した。

新紙幣には偽造防止のための革新的な技術が盛り込まれており、使いやすいデザインが採用されている。

日銀は大量の新紙幣を準備し、短期間で古い紙幣と入れ替わることを計画している。

 日本銀行は3日、20年ぶりとなる新紙幣の発行を始めた。肖像は1万円札が日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一、5千円札が女子高等教育の先駆者の津田梅子、千円札が細菌学者の北里柴三郎になる。金融機関での本格的な取り扱いは4日以降になる見通しだ。

 新紙幣は、偽造を防ぐため、傾けると肖像が立体的に動いて見える「3Dホログラム」を世界で初めて採用した。額面の数字を大きくし、触って種類が識別できるマークを紙幣の種類によって違う位置に配置するなど、誰もが使いやすいユニバーサルデザインを目指した。

 日銀は6月末までに約52億枚を用意しており、来年3月末までに約75億枚にする。前回2004年の新紙幣発行では、国内に流通する約71兆円分の6割近くが1年で入れ替わった。

 3日午前8時過ぎから、日銀本店で高さ1メートルほどに積まれた新紙幣が現金輸送車に運び込まれていった。発行業務を視察した岸田首相は、「新紙幣が国民に親しまれ、日本の経済に元気を与えてくれることを期待したい」と述べた。