20年ぶりの新紙幣発行、日銀本店から続々現金輸送車へ…植田総裁「経済の潤滑油になると期待」

AI要約

20年ぶりの新紙幣が発行され、金融機関に運び出され始まった。

新紙幣の特徴や肖像、偽造防止技術について説明された。

岸田首相が新紙幣の発行業務を視察し、期待を述べた。

 20年ぶりとなる新紙幣の発行が3日始まり、日本銀行から市中の金融機関に向けて運び出しがスタートした。準備の整った金融機関の窓口や現金自動預け払い機(ATM)で順次、新紙幣の取り扱いが始まる。

 東京都中央区の日銀本店では午前8時過ぎ、担当者が「新しい日本銀行券の発行を開始してください」と指示。高さ1メートルほどに積まれた大量の新紙幣が続々と現金輸送車に運び込まれていった。

 植田和男総裁は「新しい日本銀行券が国民に広く行き渡り、わが国経済を支える潤滑油となることを期待している」と述べた。

 新紙幣の肖像は▽1万円札が「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一▽5千円札が女子高等教育の先駆者の津田梅子▽千円札が細菌学者の北里柴三郎。傾けると肖像が立体的に動いて見える3Dホログラムなど最新の偽造防止技術が採用されている。2024年度末までに国立印刷局から日銀本支店に約75億枚が納入される見通し。

 岸田首相は3日午前、日銀本店を訪れ、新紙幣の発行業務などを視察した。その後、植田総裁と共同で記者会見に臨み、「新しい時代にふさわしい紙幣だ。新紙幣が国民に親しまれ、日本の経済に元気を与えてくれることを期待したい」と語った。

 新紙幣は一部金融機関で取り扱いが始まったが、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクなどは店舗での取り扱いを原則4日以降としている。