新紙幣・渋沢の揮毫公開 3日から富山県高岡市の射水神社、社号の額を拝殿に

AI要約

新発行される新1万円札の肖像となる実業家の渋沢栄一が100年前に揮毫した射水神社の社号を掲げて公開される。

渋沢は高岡共立銀行の設立に関わり、射水神社の遷座50年を記念し書を奉納した経緯が語られる。

射水神社では渋沢の他にも遺産や題字が展示され、高岡市の発展に寄与した彼の教えを讃える展示が行われている。

新紙幣・渋沢の揮毫公開 3日から富山県高岡市の射水神社、社号の額を拝殿に

 新紙幣が3日に発行されるのを記念し、富山県高岡市古城の射水神社は同日から、新1万円札の肖像となる実業家の渋沢栄一が100年前に揮毫(きごう)した社号の額を拝殿に掲げて公開する。渋沢は高岡共立銀行(北陸銀行の前身の一つ)の設立に関わるなど高岡に縁があり、参拝者に当時に思いをはせてもらう。21日まで。(牧野陽子)

 書は「射水神社」と横書きされ、縦36センチ、横80センチ。渋沢の署名と雅号「青淵」の印が入っている。通常は参集殿の貴賓室「浦安の間」に掲げてあり、限られた関係者のみが目にすることができる。

 渋沢は1924(大正13)年、84歳の時、射水神社の遷座50年を記念し奉納した。高岡共立銀行の立ち上げに関わり同神社奉賛会長だった木津太郎平らと親交があり、依頼に応じたとみられる。同年発行の神社誌「国幣中社射水神社志」の題字も記した。

 拝殿には同誌や、来年の遷座150年に向けて題字を鋳込んで奉納された「流水紋八稜鏡」と原型も展示する。

 渋沢は明治、大正と2度、高岡を訪れていることも踏まえ、田中天美権禰宜(ごんねぎ)は「高岡の発展に知恵を注ぎ込んでくださった方。あらためて教えをいただきながら高岡の発展につながるような機会にできたらいい」と話した。