氷見の観光「正念場」 5月以降、宿泊入り込み鈍化

AI要約

氷見市の宿泊施設の入り込み客数が5月以降、鈍化している。復興支援の需要減や北陸応援割の終了が影響している。

宿泊需要が急減し、観光業界は苦境に立たされている。復興支援者の宿泊が減少し、観光客の増加が求められている。

市は国や県に財源の確保を要請し、独自の観光キャンペーンを実施して観光客を呼び込む方針。

氷見の観光「正念場」 5月以降、宿泊入り込み鈍化

  ●復興支援の需要減/北陸応援割が終了 

 能登半島地震で大きな被害を受けた氷見市の宿泊施設の入り込み客数が5月以降、鈍化している。国の観光支援策「北陸応援割」が終了したほか、地震後に下支えしていた復興支援に携わる人の宿泊が奥能登にシフトしたのが要因とみられる。宿泊需要が急減した宿もあり、宿泊施設からは「苦しい」との声が漏れ、復興半ばの氷見の観光業界は正念場を迎えている。

 市によると、市内の宿泊者数は1月が前年同月比11・5%減の8852人と落ち込んだが、復興支援者の宿泊が入った2月は76・8%増の2万408人と急伸した。北陸応援割の適用期間(3月26日~4月26日)だった3月は64・7%増の2万6087人、4月は85・3%増の2万3251人と「特需」が続いた。

 ただ、春以降は復興支援者の宿泊が徐々に減り、5月は3・7%減の1万4679人と一転して前年同期を下回った。6月は現時点でまとまっていないが、上向く要素はない。

 市内の日帰り客数は1月以降、前年同期を下回る状況が続いている。

 市内のある民宿は「6月まで復興支援の宿泊で30人ぐらい入って満室だったが、7月から数人程度で8月以降はゼロ」という。ボランティアの素泊まりがある別の施設担当者は「5月から落ち着いた。こんな時こそ応援割があるとうれしいが、今は全体的に苦しい」と話す。

 市観光協会によると、5月の大型連休後は店頭販売が4割程度落ち込み、観光客からの問い合わせ自体も減っているという。

 関係者によると、夏休みに入るまでは例年、閑散期とされるが、これまで下支えしてきた復興支援者の宿泊需要が減った現状で観光客が増えなければ、厳しいという。市は独自の観光キャンペーンが実施できるよう財源の確保を国や県に要請する方針で、「多くの観光客に氷見を訪れてほしい」(商工観光課)としている。