河川氾濫想定し訓練 茨城・高萩市 避難所開設や情報伝達

AI要約

昨秋の台風13号に伴う大雨で被害を受けた茨城県高萩市が関根川の氾濫を想定した総合防災訓練を実施。地域住民が避難訓練を行い、災害対策や避難行動について再確認。

訓練では、関根川や他の川が氾濫し、市の災害対策本部が避難指示を出す流れや避難所の準備、避難行動要支援者の介助手順などが模擬された。

市民や市職員、自主防災組織のメンバー約200人が参加し、防災意識の向上と市民の安全確保に取り組んだ。

河川氾濫想定し訓練 茨城・高萩市 避難所開設や情報伝達

昨秋の台風13号に伴う大雨で被害を受けた茨城県高萩市は30日、関根川が氾濫したとの想定で総合防災訓練を行った。豪雨が長時間続く線状降水帯の脅威や現場が混乱した教訓を踏まえ、関根川流域の地域住民が避難訓練を実施。そのほか、災害対策本部や避難所の開設、情報伝達、避難行動要支援者への介助の手順など、非常時の対応を再確認した。市民や市職員、自主防災組織のメンバーら約200人が参加した。

訓練は、台風に伴い同市上空で線状降水帯が発生し、関根川や竜子川、玉川が氾濫したという昨秋の大雨と同じ想定で実施。

市は午前8時45分、災害対策本部を設置し、職員に避難所開設の指示を出すとともに水戸地方気象台や県高萩工事事務所と連絡を取り、状況を早急に確認。得た情報を基に同10時にかけて高齢者等避難、避難指示を順次発令した。また、市の防災アプリなどで災害の状況を周知し、住民に避難を呼びかけた。

この間、春日町の総合福祉センターやリーベロたかはぎなどでは職員や自主防災組織が避難所を準備。段ボールベットを組み立て、マンホールトイレや給水タンクを設置し、避難所の運営方法を確認した。

また、市が4月に避難行動要支援者の名簿を作成したことを受けて、避難の誘導などを担う自主防災組織が要支援者役の住民を介助し、施設内の危険箇所や注意点を実際に確かめた。

下手綱地区自主防災会長の小田木正夫さん(72)は「下手綱は高齢者が多い。この訓練を避難の際の声かけや介助にどう生かしていけるか住民で考え、非常時に備えたい」と話した。

大部勝規市長は「(昨秋の)反省点や経験を生かした実践的な訓練になった。市民の命を最優先に引き続き訓練を行い、防災意識の啓発や備えの強化に努めたい」と決意を表した。