祇園祭・鶏鉾の稚児人形に特殊な仕掛け 立った状態から膝を折り曲げて「正座」した姿に“変形”100年以上気づかず 専門家「“生き稚児さん”を再現したのでは」

AI要約

祇園祭の前祭・山鉾巡行で街を練り歩く「鶏鉾」(にわとりほこ)の稚児人形に、立ち姿から正座姿に様変わりする特殊な仕掛けが発見される。

鶏鉾の稚児人形は、100年以上知られていなかった座れる仕組みを備えており、修復作業中に明らかになった。

正座した鶏鉾の稚児人形は一般に披露され、幻の姿が見られる機会となる。

祇園祭・鶏鉾の稚児人形に特殊な仕掛け 立った状態から膝を折り曲げて「正座」した姿に“変形”100年以上気づかず 専門家「“生き稚児さん”を再現したのでは」

祇園祭の前祭・山鉾巡行で街を練り歩く「鶏鉾」(にわとりほこ)の稚児人形に、立ち姿から正座姿に様変わりする特殊な仕掛けが備わっていることがわかりました。修復作業の中で初めて判明し、100年以上知られていなかったとみられています。専門家は「まさか座れるような構造になっていたとは」と驚いています。

 鶏鉾は、祇園祭の前祭(7月17日開催)で都大路を進む23基の山と鉾と呼ばれる山車の一つで、風変わりな名は、平和な時代では裁判で使われていた太鼓が長年使用されず、ついには鶏が宿ることもあったという中国古代の故事にあやかったものとされています。

 

 巡行の際に、最前列に立ってあでやかな立ち姿を披露するのが「ご神体」ともされる稚児人形です。文久3(1863)年の製作と伝えられ、去年7月から約8カ月かけて修復作業が行われましたが、その中で、「人形が正座姿になれる」ことが明らかになりました。

 人形の両側面の足から腰あたりまで入っていた鉄芯を抜くと、関節部分が動き、足を折りたためるようになったのです。

(鶏鉾保存会代表理事・坂本篤史さん)「座れますと聞いてえっとなりました。鉾のことはかなり出尽くしたと思ってはいましたがまさかこんな発見があるとは・・・」

 修復の監修にあたった淺湫毅・追手門大学文学部教授は「生き稚児さんが鉾に乗っていた江戸時代は立ったり座ったりしていた。それが人形になっても正確に再現しようとしたのではないか」と話しています。

 正座した鶏鉾の稚児人形は、7月13日(午前10時~午後9時頃)に限り、鶏鉾保存会の町会所(京都市下京区室町通綾小路上ル鶏鉾町500)で一般に披露されます。