医療費1.4億円不明 沼津夜間救急センター 死亡職員横領か

AI要約

静岡県東部の6市町などが運営する沼津夜間救急医療センターで1億4千万円の医療費が使途不明金になっていることが明らかになった。

死亡した男性職員が私的に流用していた可能性が高く、業務上横領の疑いがあるとして警察に通報された。

センターは被害の実態解明を進めるとともに、犯罪行為の全容を明らかにするための詳しい調査が行われるという。

医療費1.4億円不明 沼津夜間救急センター 死亡職員横領か

 静岡県東部の6市町などが運営する沼津夜間救急医療センター(沼津市)で医療費約1億4千万円が使途不明金になっていることが25日、複数の関係者への取材で分かった。職員が私的に流用していたとみられ、今後の詳しい調査によっては不正流用の総額が2億円を超える可能性もあるという。

 関係者によると、経理などの事務を担当していた60代の男性職員が今月中旬に亡くなり、業務整理をする中で損害保険会社や厚生労働省からの振り込み通知書が見つかった。振込先はほかの職員が把握していない金融機関の口座だった。

 センターが調べたところ、交通事故や労働災害で負傷した場合、患者に代わって保険会社などが負担する医療費が口座に振り込まれ、引き出されていた。さらに患者が支払った医療費の一部もなくなっていた。

 使途不明金は判明している2014年以降で1億4千万円前後。口座は08年ごろに開設されていたため、総額はさらに多いとみられる。センターは被害の実態解明を進めるとともに、業務上横領の疑いもあるとして沼津署に届けた。

 死亡した男性は1970年代後半に採用され、定年退職後も臨時職員として勤務。長年にわたって事務を担当していた。

 センターは県東部6市町(沼津、三島、裾野、長泉、函南、清水)と地元医師会などでつくる公益社団法人沼津夜間救急医療対策協会が管理運営している。22年度の患者総数は1万317人。患者の住所などに応じ、6市町が運営費を分担で支出している。