平和宣言「戦争を阻止」 元全学徒の会、首里で追悼・祈念祭 沖縄

AI要約

元学徒の会が慰霊の日を前に開催した戦没者追悼・平和祈念祭の様子。

会では戦没者を追悼する献花が行われ、平和宣言や歌唱が行われた。

高齢化する元学徒らが戦争を阻止し、世代に平和へのメッセージを託した。

平和宣言「戦争を阻止」 元全学徒の会、首里で追悼・祈念祭 沖縄

 慰霊の日を前に、沖縄戦に動員された県内21の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる元全学徒の会は19日、「全学徒戦没者追悼・平和祈念祭」を那覇市首里の養秀会館で開いた。元学徒や関係者ら30人以上が戦没者を追悼し、献花した。

 昨年まで糸満市摩文仁の平和祈念公園にある全学徒隊の碑前で実施していたが、元学徒らの高齢化により移動が難しくなったため、今年は場所を変更して開催した。

 元全学徒の会共同代表の與座章健さん(95)が「いかなる戦争であれ阻止しなければならない」と平和宣言を読み上げた。元全学徒の会幹事の宮城政三郎さん(95)が作詞作曲した「ああ、いつまでも伝えてよ」を首里高校の合唱部が歌った。宮城さんは闘病中で言葉が出ないものの、「世界平和」と書いた紙を握りしめ参加。首里高生らの歌に感極まった様子で拍手し、会の元学徒の「沖縄を絶対に戦場にしてはいけない」の言葉にうなずいていた。

 県立農林学校の卒業直前に徴兵された渡口彦信さん(97)は学徒兵だった当時の体験を語り、「最近は『台湾有事』などが言われ、シェルターを造るなど戦争を想定しているのだろうか。沖縄を再び戦場にしない」と強調した。

 沖縄戦で私立昭和女学校から看護要員として動員され、元全学徒の会共同代表を務める吉川初枝さん(96)は「会の皆さんの顔を見て元気が出た。若い世代には、とにかく戦争はやってはいけないと肝に銘じてね」と語った。

(中村万里子、中村優希)