通話相手に従いATM操作する高齢女性、知事が「詐欺じゃありませんか」…動画で被害防止訴え

AI要約

山口県と県警が被害防止の広報動画を作成し、ユーチューブなどで公開する。

動画は還付金詐欺や自転車盗などの被害について警鐘を鳴らす内容で、村岡知事も出演。

県内ではうそ電話詐欺や自転車盗が増加傾向にあり、県民に対策を呼び掛けている。

 うそ電話詐欺や自転車盗などの被害を防ごうと、山口県と同県警は、村岡知事と阿久津正好本部長が出演する広報動画を作製した。動画投稿サイト「ユーチューブ」の県警公式チャンネルで公開するほか、県庁のエントランスホールで流すなどして県民に被害防止を訴える。(内田詩乃)

 動画は税金や医療費の返還を装って金をだまし取る「還付金詐欺」と自転車盗などに関する2本。いずれも1分程度で、村岡知事と阿久津本部長のほか、県警職員が出演している。19日午後2時にユーチューブに公開する。

 詐欺の動画は、通話相手の指示に従って現金自動預け払い機(ATM)を操作する高齢女性役を、村岡知事が「詐欺じゃありませんか」と引き留めるという内容。近年増加しているSNS型投資・ロマンス詐欺についても注意を促している。自転車に関する動画では、「自転車・カギかけ・ヘルメット」の合言葉を紹介。県の条例で自転車の利用者に損害賠償保険への加入が10月1日から義務化されることも説明している。

 県警によると、県内では1~5月に39件(前年同期比11件増)のうそ電話詐欺被害を認知しており、被害額は1億5506万円(同8611万円増)に上る。自転車盗の被害は同期間で400件(同106件増)起き、そのうち約8割が無施錠だったという。

 14日、県警本部で行われた動画の記者発表会で、県警生活安全企画課の小清水徹安全・安心対策官は「知事らが出演することでより多くの県民に被害の深刻さを把握してもらい、一人一人に対策を取ってほしい」と呼びかけた。