「ひんぱんに聞かれる佐賀か福岡か」佐賀県基山町「かるた」完成…「どぶろっく」描かれた一枚も

AI要約

佐賀県基山町にまつわる事柄を題材にした「きやまかるた」が完成した。町では300セットを作り、多世代間交流に活用する予定。

きやまかるたは高齢者の生きがいづくりや多世代間交流の道具として考案され、町内外から寄せられた1903句から選ばれた44句が中心となっている。

絵札は障害福祉サービス事業所のデザイナーが手がけ、読み句にちなんだ絵柄が描かれている。完成したかるたは町内での交流促進に活用される予定。

 佐賀県基山町にまつわる事柄を題材にした「きやまかるた」が完成した。町の公募に寄せられた中から選ばれた読み句には、町民なら思わずクスッと笑ってしまいそうな作品も。町は300セットを作って町内の各学校や公民館、公共施設などに配り、老若男女の町民らの多世代間交流に役立ててもらいたい考えだ。(緒方慎二郎)

 きやまかるたは、高齢者の生きがいづくりや多世代間交流の道具として活用してもらおうと、元町集落支援員の中尾吉文さん(65)が発案し、町が製作。昨年7、8月に読み句を公募したところ、町内外から1903句が寄せられ、2回の選考を経て、最初の文字が50音の「あ」~「わ」の44句を決めた。

 題材は町の歴史や文化、名所、特産品、人物など様々だ。「う」の句でうたわれたのは、「つつじ寺」と呼ばれ、紅葉の名所でもある古刹の大興善寺。「美しい 大興善寺の つつじともみじ」と紹介している。

 ユーモラスな読み句もあり、「ひ」の句は「ひんぱんに 聞かれる 佐賀か福岡か」。福岡県境に位置する町ならではのエピソードをうたった。

 絵札は、アート活動に取り組む町内の障害福祉サービス事業所「PICFA(ピクファ)」のデザイナー藤瀬翔子さん(31)がデザインを担当。読み句で取り上げられた現場を実際に訪ねるなどし、約4か月間かけて1人で44枚を描き上げた。中には、町出身のお笑いコンビ「どぶろっく」の2人が描かれた一枚もある。

 今月7日には、完成したかるたのお披露目会が町立図書館で開かれ、選考に携わったメンバーや基山小の児童、松田一也町長ら約40人が参加。早速、用意された畳の上に広げられた絵札を囲み、句が読み上げられると、世代の垣根を越えて手を伸ばし合った。

 藤瀬さんは「1人で全ての絵札を描けるか不安だったけれど、多くの支えがあり、44句分を完成させられた。たくさん遊んで、時には絵もじっくり見てもらいたい」と話し、中尾さんは「高齢者から子どもたちまで、同じ目線で楽しめる。町の魅力の再発見にもつながればうれしい」と期待していた。

 町立図書館では今月末まで、全ての読み句と絵札が展示される。