水泳クロールの記録 小6の半分が"10m以下"の学校も 子どもたちの体力低下 その理由と実態
宮崎県の小学校での水泳授業について、児童の体力低下の実態が明らかになっています。
子どもたちの体力が低下している原因として、コロナ禍による制限が挙げられています。
体育の授業や水泳の授業が制限されたことで、子どもたちの運動機会が減り、体力低下に繋がっている可能性が示唆されています。
今回のテーマは「子どもの体力」です。
宮崎県内の一部の小学校では今週から水泳の授業が始まっていますが、こちらは去年、宮崎市の小学校で児童一人一人に渡された記録賞です。
どのくらいの距離を泳ぐことができるかを記録したものなのですが、6年生のこちらの児童はクロールで記録は「5メートル」でした。率直にどう感じますか?
実は、この児童が特に記録が伸びなかったというわけではなく、この学校では6年生の半分の児童が10メートル以下の記録だったのだそうです。
では、なぜ、子どもたちの体力が低下傾向にあるのでしょうか?小学生の体力の実態を取材しました。
■小学生の一番好きな教科は「体育」だが・・・
元気いっぱい運動場を走る子どもたち。
子どもの教育について調査している学研教育総合研究所の今年の発表によると、小学生の一番好きな教科は「体育」だったそうだ。
しかし、近年子どもたちの体力は低下の傾向にある。
これはスポーツ庁が県内の小学生を対象に実施した体力調査のグラフだ。
年々、男女ともに体力は少しずつ低下していて、おととしは過去最低となっている。
なぜ、子どもたちの体力が低下しているのか。
毎年、小学生の泳ぐ距離を記録している宮崎市小学校体育連盟の長尾岳彦会長はその要因の一つとして「コロナ禍」を挙げる。
(宮崎市小学校体育連盟 長尾岳彦会長)
「ウチが出した記録証ですね。コロナの時期を振り返りますと、令和始まった頃からいろんな制限がある。体育の授業においては、大変苦労した時代がある」
コロナ禍で大きく影響を受けた「体育」の授業。
特に水泳の授業では、市内でも最長3年間、まったく水泳の授業ができなかった学校があるなど十分に時間を確保できない状況が続いた。
一般的に水泳の授業は1・2年生で顔に水をつける、3・4年生で水に潜る・浮くといったカリキュラムを受ける。
しかし、コロナ禍で水泳の授業を受けていない子どもたちは、高学年になってようやく水泳の授業が本格化。
記録を伸ばすことができない子どもたちが多かったとみられる。