土砂災害の前兆とは 被害を防ぎ、身を守るポイント 

AI要約

土砂災害の兆候や防災対策について、専門家の意見や過去の事例を交えて紹介。

災害前の警戒サインや避難の重要性、防災アプリの活用方法を解説。

大分県内の土砂災害警戒区域の数、対策工事状況、避難情報共有の取り組みなどを紹介。

土砂災害の前兆とは 被害を防ぎ、身を守るポイント 

これから迎える大雨シーズンで懸念されるのが土砂災害ですが、実は発生する前にいくつかの現象がみられます。被害を防ぎ、身を守るポイントととは?

2020年7月、大分県日田市中津江村を襲った記録的大雨。轟音とともに土砂が崩れ落ち、高齢者福祉施設に押し寄せました。施設の利用者は前日に避難していたため、けが人はいませんでした。

当時、大分大学減災・復興デザイン教育研究センターは、災害の発生前から現地入りし、撮影と調査を進めていました。

鶴成悦久センター長:

「山から大量の水が出ていて、道路一面が濁流に覆われていた。道路から見ると全く気づきませんが、斜面の上の方では土砂崩れみたいな形が起きていた。上で起きているので非常に危険度が一番高い状況とは思います」

大分大学の調査チームが現地での撮影を終え、その30分後に中津江村で土砂崩れが発生しました。

大雨や台風で引き起こされる土砂災害。実は発生する前、いくつかの現象がみられます。その一つは、『山から小石が崩れるような音』です。そして、『斜面にひび割れができる』『水が噴き出す』『山鳴りがする』『雨が降っているのに水量が減る』などの現象があります。

災害の兆しに気づくために、日頃から周囲の環境を観察・把握しておくことが重要です。

鶴成悦久センター長:

「どんな災害のリスクがあるかっていうところを周辺の地形とか山も含めて確認をしておくことが重要」

最近は、夜に大雨が降り、道路の冠水や陥没で避難の途中に被害に遭うケースも出ています。

鶴成悦久センター長:

「緊急度が高まった場合、今度は避難する時に危険性が増してきます。外に出る事が難しければ最悪、垂直避難するそうなる前に避難する早期避難の重要性を考えてほしい」

大分県内の土砂災害警戒区域は、全国で7番目に多い約2万4000か所。県は砂防ダムなどの対策工事をしていますが、必要か所の整備率は3割にとどまっています。警戒区域の認知を高めるため、県は標識を今年度末までに新たに900か所設置する予定です。

県が5年前から運用している防災アプリ。スマートフォンからハザードマップや避難場所が確認できるほか、事前に登録すると災害時の行動や家族の位置情報なども共有されます。

県防災対策企画課 村山奉勝さん:

「日頃からアプリでハザードマップを活用して事前の確認といったことを行っていただきたい」

これから迎える大雨のシーズン。周囲の異変に気を配り、常に早めの安全確保を心がけておくことが自分や家族の身を守ることにつながります。