「働きママン」で描いた更年期。おぐらなおみさんインタビュー ワーママ奮闘を描き13年、次のステージへ(仮)

AI要約

「働きママン」シリーズの最新作では、子育ての最終ステージと共に更年期のリアルな姿が描かれています。著者のおぐらなおみさんが、自身の更年期体験を元にコミカルに描いています。

おぐらさんが更年期を経験するきっかけやつらさ、そして折り合いをつけるために変化を遂げる様子が描かれ、読者に共感を呼んでいます。

子育てや仕事とのバランスとは異なり、更年期の不調は自らの内側から来るもの。おぐらさんは考え方を変えることでこの新たなライフステージを受け入れることができました。

「働きママン」で描いた更年期。おぐらなおみさんインタビュー ワーママ奮闘を描き13年、次のステージへ(仮)

 ワーママの奮闘と成長をコミカルに描き、子育て世代から共感を呼んだ人気コミックエッセイシリーズ「働きママン」。最新作では子育ての最終ステージと並行して、男女の「更年期」がリアルに描かれます。自身も更年期を経て、新しい道を拓いた著者のおぐらなおみさんにインタビューしました。

――育休からの仕事復帰、ワンオペ育児、保育園、小1・小4の壁など、子育てしながら働く女性たちの等身大の姿をコミカルに描いた「働きママン」シリーズですが、久しぶりの新作で「まさかの更年期編」を描いたきっかけは?

 自分でも更年期編まで描くとは想像していませんでした。このテーマを描こうと思ったきっかけは、自分自身が更年期を経験して「こんなにひどい目に遭うんだ!?」と驚いたからです。それなのに、更年期のつらさについて話す人も、実体験を描いたマンガも当時はほとんど見当たらなかった。

 それならば、私が感じたままのことーー例えば「会社でホットフラッシュが起きたら?」のような具体的なエピソードを「働きママン」シリーズの続編で描いてみようと思ったことが続編につながりました。「自分だけじゃなかった。仲間がいたんだ」と読者の方に思ってもらえたら、描いた甲斐があります。

――おぐらさんが体験した更年期のつらさとは、どのようなものでしたか。

 私の場合は、47歳頃からとにかく汗をかくようになったんです。気温に関係なく、普通に座っているだけなのに突然ドッと大量の汗が出てくる。同じように予兆もなしに突然、動悸がひどくなることもあって、一時は心臓の病気を疑ったほどでした。

 40代後半から50代前半にかけては、そうした症状が一日に何度も現れて本当につらかったですね。54歳になった今はようやく症状が落ち着いてきたので、穏やかに過ごせるようになりました。

――最新作ではアラフィフになった“働きママン”の一ノ瀬圭子が、「子育ても一段落して、さあ仕事に集中!」と意気込んだ矢先に更年期に直面する、人生の“ままならなさ”が描かれます。

 私も一ノ瀬と同じように思っていたんですよ。「2人の子どもが小さい頃はいろんな悩みがあったし、仕事との両立も大変だったけど、子どもたちが無事に成長した。ここからまた元のように仕事ができるし、楽しい日々が始まるはず!」って。

 でも、現実はそうじゃなかった。

 子育てと仕事の両立は、大変だったけど、とにかく私が頑張ればなんとかなったんです。でも更年期に関しては、頑張ろうと思っても頑張りようがなかった。

 ようやく身辺が落ち着いたのに、今度はこんな危機がやってくるのか、こんなはずじゃなかったのに......と気力が削がれる感じがありました。

――仕事と育児の両立の大変さは「外」から来るものですが、更年期の不調は自分の「内」から来るものです。おぐらさんは心身の不調にどんな風に折り合いをつけましたか。

 途中からは、「これは自分の考え方を変えなきゃいけない」と思うようになりましたね。「どうして以前のように戻れないんだろう」と嘆くのをやめて、自分の身体や生活、人生に対する考え方をあらためて、その変化を受け入れる。

 それができるようになったことが、更年期を経て一番大きな変化だったと思います。