たった1分で疲労や肩こりに効果的! 指1本でできる「ツボ押しセルフケア」のすさまじい力

AI要約

鍼灸や漢方と聞くと、どことなく「うさんくさい」と感じる人もいるかもしれない。しかしいま西洋医学の研究において、東洋医学があらためて見直されつつある。最新科学で判明した、科学的に効く「ツボ押しセルフケア」の方法を紹介しよう。

伊藤氏が「万能のツボ」と太鼓判を押すのが、合谷だ。手の親指と人差し指の骨が交わる点から、人差し指側に少し進んだ位置にある。

多くの人を悩ませている頭痛や腰痛も、実はツボを押すことで緩和できる。伊藤氏がすすめるのは太陽と腰腿点だ。

たった1分で疲労や肩こりに効果的! 指1本でできる「ツボ押しセルフケア」のすさまじい力

 鍼灸や漢方と聞くと、どことなく「うさんくさい」と感じる人もいるかもしれない。しかしいま西洋医学の研究において、東洋医学があらためて見直されつつある。最新科学で判明した、科学的に効く「ツボ押しセルフケア」の方法を紹介しよう。なんとツボを刺激するだけで、疲労や肩こり、不眠、胃腸の不調などさまざまな症状に効果があるのだ。

 「ツボを指圧するのも、刺激を与えているという意味では鍼灸と同じです。それゆえ自分の指でツボを押すだけで、疲れや不眠、肩こりなど日常的な体の悩みを改善できるのです」

 鍼灸のスペシャリストでもある明治国際医療大学教授の伊藤和憲氏は、このように語る。

 体中にあるツボを刺激できるのは、何も鍼やお灸に限らない。指1本あれば今日から始められる、「ツボ押しセルフケア」のやり方を紹介していこう。

 伊藤氏が「万能のツボ」と太鼓判を押すのが、合谷だ。手の親指と人差し指の骨が交わる点から、人差し指側に少し進んだ位置にある。

 「自律神経の不調改善によく使われるツボで、ストレスを緩和する効果があります。不眠やイライラの改善はもちろん、胃の疲れや目の痛みにも効く。迷ったらこのツボを押しておけば、まず間違いはないでしょう」(伊藤氏、以下「」内は同)

 伊藤氏によれば、押し方にもコツがあるという。

 「5秒かけてゆっくりと押すのを5~10回ほど、朝晩に1セットずつ繰り返すと効果的です。

 また肝心なのが、ツボを押す力加減。東洋医学では押している指の爪の色を目安にしていて、少し白っぽくなるくらいがちょうどいい強さだと言われています。タオルを固めに結んで、その結び目をツボに当ててゴリゴリと刺激するのもおすすめです」

 万能と呼ばれる合谷に対して、「ツボの王様」と言っても過言ではないのが、膝の横にある足三里だ。江戸時代の俳人・松尾芭蕉も、長旅の間はこのツボを刺激して体をケアしていたという。

 「膝の痛みや足のしびれにも効くとされますが、とくに胃腸の不調を改善したい場合によく使われるツボです。さらに最近の研究では、刺激すると免疫機能が高まるとわかってきました」

 疲れがなかなか取れなくて悩んでいる人は、足の裏にある湧泉を押すといい。

 「名前の通り、押すと活力が泉のように湧いてくるツボで、疲労回復はもちろん、下半身の血行を改善して冷え症やむくみ、頻尿にも効果が期待できる。イスに座ってゴルフボールを足裏で転がせば、テレビを見ながらでも簡単に刺激できます」

 多くの人を悩ませている頭痛や腰痛も、実はツボを押すことで緩和できる。伊藤氏がすすめるのは太陽と腰腿点だ。

 「太陽は頭痛の治療によく使われるツボですが、その原因となる肩こり、さらには目の疲れにも効果があります。また手の人差し指と中指、薬指と小指の骨がそれぞれ交わる点にある2つの腰腿点は、腰痛への効き目が抜群です」

 たとえ体調に不安がなくとも、「日常的にツボを押しておくことが健康につながる」と伊藤氏は指摘する。

 「体調に問題がなければ、ツボを押しても痛くありません。逆に押して痛いときは体のどこかが不調である可能性が高いため、『今日は早めに寝よう』といったように悪化を未然に防げる。普段から押しておくことで、ツボは体調のバロメーターとしても使えるのです」

 調子が悪いときはもちろん、普段からツボに気を配るのが健康への第一歩なのだ。

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 「週刊現代」2024年6月1日号より