旅する町田啓太とトッズ。時を駆けて、クラシックを知る――。

AI要約

町田啓太は旅を通じて成長し続ける姿勢を持つ俳優である。

彼は旅を経験することで新しい文化や人々と出会い、自己成長を図っている。

町田は旅先で自然体でいること、服装に気を使うことなど、旅を五感で楽しむ姿勢を大切にしている。

旅する町田啓太とトッズ。時を駆けて、クラシックを知る――。

自分を成長させてくれるもの── 。

町田啓太は旅の魅力についてそう話す。幼い頃に憧れたのは大空への旅。

それは方向転換しながら、新たな目的地へと飛び立った。

そしていまも町田啓太は旅を続けている。旅は、いつまでも終わらない。

時間と距離を越えること。それこそが旅ならば、町田啓太は、旅に憧れ、旅をしてきた。そしていまも旅を続けているのだろう。

「生まれ育ったのは群馬の田舎町でしたが、高校は北陸、大学は東京。環境が変わることが自分にとっての旅ならば、旅することは好きだし、旅をしながら成長してきたと思うし、そしていまもまだ旅の途中なのだと思っています」

夢をかなえるための旅をしてきた。行く先々で次の行き先を見つけ、手段を変え、計画を修正しながら、いまここに立つ。幼い頃からパイロットになりたかったという町田がダンスと出合い、そして役者の道へと歩みを進めてきた人生こそが旅そのものだった。

「単に移動することだけが旅ではないですよね。そこで何を体験したかこそが旅だと思います。出合った文化や人が自分の糧となる。旅の魅力や価値って、そこにあるのではないでしょうか」

そしてまた、誰と行くかも旅の醍醐味(だいごみ)だと町田は言う。

「AERA STYLE MAGAZINEの撮影で行った沖縄。いつものチームだからこそ楽しめたし、リラックスして臨むことができました。一緒に行く人が違えば、また違った沖縄になったと思います。初めてのイタリアも同じチームで行かせてもらいました。トッズのコレクションを見て、工房を見学させてもらうことなんて、この旅でなければ経験できなかったこと。刺激に満ちあふれた旅は僕自身を成長させてくれるし、大切な思い出でもあります」

「旅の主眼はインプットとリラックス」と町田は振り返る。自分自身が自然体のまま素直に向き合うことで、自分を成長させてくれる旅こそが実りある旅となるのだ。

そしてまた町田は旅先で素直でいるため、服装には気を使う。

「普段とは違う服を着ることも、旅を楽しむ手段のひとつ。現地の風土に合った服装があれば、自分自身がそこに埋没できる。旅先に自分が溶け込むことで、得られること、見つかるものがたくさんあるんです」

町田にとって、旅とは自身が豊かになること。だからこそ、見ること、聴くこと、そして着ることもすべて、五感で感じる旅を求める。たとえば見知らぬ街で、自分が生まれる前に建てられた建築物と出合う。そこで感じる風は、この建築に関わった人と同じかもしれない。そこに悠久の時を見ている。

「こういう気候だから、こういう街が生まれたんだとわかるように、こういう人たちだから、こういう服が生まれたのだとわかることがあります。いま、この場所に立ち見上げた塔は、かつて同じ場所で見上げた人にも同じ感情を湧き起こさせたように、服や鞄からも作りあげた人々の感情が伝わってくるんです」

トッズの新作に身を包んだ町田と、チューダー様式の洋館、そして1958年製のクラシックカーMG。時を超え、空間を越え、最新とモダンが融合するとき町田は何を感じただろう。

いま到着した場所は、次へ行く場所への玄関口。ここで得た何かが、未来できっと役に立つ。

「大好きなトッズと信頼するスタッフと共に初めて行く場所って、新しい台本をもらったときのような気分。自分を成長させてくれる何かがある。役者って、旅そのものなのかもしれないですね」

町田啓太(まちだ・けいた)

1990年生まれ。俳優、劇団EXILEメンバー。映画『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』『太陽とボレロ』『ミステリと言う勿れ』、テレビドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)、『ダメな男じゃダメですか?』(テレビ東京)、『unknown』(テレビ朝日系)、『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』(NHK)など話題作に多数出演。大河ドラマ『光る君へ』の出演も要チェック!

「アエラスタイルマガジンVOL.56 SPRING/SUMMER 2024」より転載

問/トッズ・ジャパン 0120-102-578

取材協力/トッズ・ジャパン

Photograph: Sunao Ohmori(TABLE ROCK.INC)

Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)

Hair & Make-up: KOHEY(HAKU)

Text: Yasuyuki Ikeda(04)