おふくろの味“漬物”が食卓から消える!? 食品衛生法改正で経済的負担増 「梅の不作」で漬物ショップに追い打ちも

AI要約

食品衛生法改正により、漬物製造者が販売を諦める動きが広がっている。

漬物店や梅農園が経済的負担に直面し、郷土の味や梅の供給に影響が出始めている。

一部の漬物店は設備投資や努力により、伝統の味を守るために取り組んでいる。

おふくろの味“漬物”が食卓から消える!? 食品衛生法改正で経済的負担増 「梅の不作」で漬物ショップに追い打ちも

今、ご飯のお供に欠かせない“漬物”が大ピンチとなっている。食品衛生法が改正されたことで、販売をやめる人たちが増加しているという。

6月1日から「食品衛生法」が改正され、販売するには保健所の許可が必要となり、衛生的な製造整備を整えることが必須となる。

そのため、個人や小規模な生産者は経済的な負担が大きく、販売を諦める人たちが増え、おふくろの味“漬物”が食卓から消える可能性がある。

「悲しいですね。昔からのがなくなっちゃうから」「懐かしいし、これだけでもご飯が進む」などと街の人からは悲しむ声が上がっている。

千葉・長生村で80年漬物を製造している「丸島漬物店」。塩漬けにした青唐辛子にし、その葉を巻いて漬け込む「唐辛子のしそ巻」が名物。ピリ辛なしそ風味はご飯との相性が抜群だ。

84歳になる丸島康之さんが漬けた自慢の漬物が、今回の法改正でなくなる危機に立たされた

丸島漬物店 丸島康之さん:

やっぱ先代の人がやったとなると、やめることができない。なんとかいい味のものをお客さんに食べてもらいたいという気持ちでやってる。

「先代から続く味を残したい!」ということで、息子たちが協力し、新たに設備投資し保健所の許可を得た。「ムスコが許可を取ってくれなかったら自然消滅でしょうね」と丸島さんは話す。80年続く郷土の味「唐辛子のしそ巻」が今後も、販売されることになった。

さらに、漬物ショップに追い打ちをかける事態が発生。梅干しに欠かせない“梅”が不作となっている。

埼玉県・越生町は本来、梅の実の最盛期を迎えているが、現地の梅の木を見てみると、梅が全然実っていないのがわかる。

例年は直売所にずらりと梅の実が陳列棚に並ぶが、5月30日は半分以下しか入荷していなかった。この梅不足を受け、十分な量を確保できないことから、6月に梅の直売などを行う梅フェアの開催が中止となった。

越生町役場・産業観光課梅担当の田中日向主任は、梅の不作の原因を「3月に桜の開花時期が遅れるぐらい寒い時期になったことで、蜂が飛ばない。受粉がうまくできなかったということが、一つ要因ではないか」と指摘した。

(「イット!」5月30日放送分より)