漬物製造許可 4割未申請 改正法で茨城県内 営業は罰則対象

AI要約

改正食品衛生法による漬物製造販売の許可制が6月1日から適用される。茨城県内の事業者の4割が許可申請をまだ終えておらず、早急な手続きが求められている。

漬物業界における衛生管理の必要性は12年の大腸菌O157食中毒事件を受けて強化された。HACCP基準を満たし、許可を得ないまま営業すると罰則を受けることになる。

茨城県内では許可申請のうち約40%が未申請状態であり、業者には専用の施設設備や衛生基準の遵守が求められている。期限が迫る中、駆け込み申請が増えている。

漬物製造許可 4割未申請 改正法で茨城県内 営業は罰則対象

6月1日から適用となる改正食品衛生法の漬物製造販売の許可制で、4月末の時点で茨城県内事業者の4割が許可申請を済ませていないことが28日、分かった。営業するには国際基準「HACCP(ハサップ)」を踏まえた衛生管理が求められる。申請しないまま営業した場合は「無許可」となり、罰則の対象になる。県や同県水戸市は早期の手続きを呼びかけている。

同法は2021年に改正・施行した。許可が必要な業種に漬物の製造販売などを加えた内容で、12年に北海道の漬物業者の商品で8人が死亡した腸管出血性大腸菌O157による食中毒などを教訓とした。今年5月末で3年間の経過措置が終了する。

県生活衛生課や水戸市保健所によると、県内10保健所で同法に基づく許可の申請を済ませたのは、4月末現在で全体の6割に当たる計275件。残る180件は未申請となっている(いずれも速報値を含む)。

許可を得るには各保健所に申請し、現地確認調査が必要になる。保健所ではこれまで、業者にはがきなどで通知し、申請がない場合などには電話連絡や訪問で申請を求めてきた。期限が迫り、5月に入っての駆け込み申請は多くなっているという。

専用の加工施設を設け、専用の手洗い設備や、換気扇、網戸付き窓など換気が適切にできる構造といった衛生基準も満たす必要がある。食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」を踏まえた衛生管理も求められる。

県食品衛生条例に基づき、茨城県では漬物の製造販売の許可制が少なくとも30年以上前から続いている。同法と同等の厳しい基準があり、今回の移行による新たな設備投資はほぼ必要ないという。個人事業者の継続が難しくなるなど取得の「壁」はないとみる。

ただ6月1日以降は、保健所の許可を移行しないまま営業すれば「無許可営業」となり、罰則の対象となる。同課では「営業を希望される場合は、忘れずに申請手続きをしてほしい」と呼びかけている。