【経験談】資産1000万円を達成した節約系YouTuberによる生活費を月11万円に抑える方法

AI要約

節約オタクふゆこさんが、生活費や食費の抑え方、副業の続け方について語る。

生活費を抑えるための工夫や食費の管理方法、副業を楽しむコツなどが紹介される。

自分の強みを活かして副業をすることで、続けやすくなるポイントについても触れられる。

【経験談】資産1000万円を達成した節約系YouTuberによる生活費を月11万円に抑える方法

「貯金をしなければ」と思いつつも、物価高もありますし、苦労している人も少なくないのではないでしょうか。『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)の著者で、YouTubeやブログで節約情報を発信する、節約オタクふゆこさんは、元々は浪費癖があったものの、26歳のときに節約を始め、約4年間で資産1000万円を達成しています。後編では、具体的な生活費や食費の抑え方、収入を増やすための一つの方法である「副業」について、会社員時代のご経験や、副業を続けるために必要なことを伺いました。

■生活費を月11万円以内に抑えるために

――本書では生活費を11万円以内に収めていたことが書かれています。約2万7千円の奨学金返済もありながら生活費を抑えるために、どんな工夫をされたのでしょうか?

食洗器用洗剤やボディソープなど日用品の一部は、ふるさと納税の返礼品を使っています。シャンプーや、トリートメント、ハンドソープは購入していましたが、当時は楽天市場のまとめ買いでお得に買えて。貯まったポイントは、スーパーで食品と日用品の購入に充てていました。サブスクはAmazonプライムに入っていますが、総額がお得になる年払いをしています。

ただ、本の中でご紹介していたのは2020年9月の話ですので、今よりも物価が低かったです。私も今はもう少し支出が増えています。当時はコロナ禍真っ只中で、外出自粛の空気も強く、出かけてお金を使いたいとも思わなかった時期。そういう意味でも、節約できたのは環境要因もあったと思います。

――食費を月11000円でやりくりするのも大変そうです。

バランスの良い食事を摂るようにはしていました。きちんと栄養学を勉強したわけではないですが、エビデンスのしっかりした食事術の本を読み、それをベースに何をどう食べるか考えていました。

たとえば、フルーツはおもにバナナを食べていて、冬はみかんなども買っていました。お肉はそのときスーパーにある一番安いものを選んでいて、大抵は鶏肉か豚肉でした。野菜は、だいたいほうれん草・小松菜・チンゲン菜のどれかは安かったので、一番安いものを買って、にんじん・じゃがいも・玉ねぎなどと合わせて炒めものにしたりしていました。

お米はふるさと納税の返礼品です。時期にもよりますが、お肉、お魚、野菜もふるさと納税の返礼品でもらうこともあったので、それもあって食費を削ることができたのだと思います。

――どんなメニューを作っていたのでしょうか?

「メニュー」というほどのものはないのですが、そのときスーパーで安かったものを、2種類の味付けで炒めてそれぞれ作り置きしておき、その1週間は2種類のおかずを交互に食べて過ごしたり、別の週は業務スーパーの冷凍餃子を使ってみたり、イワシの蒲焼きの缶詰や、鯖の水煮缶などを組み合わせたりもしました。

昼と夜に何を食べるかを厳密には決めていなかったです。朝起きて、お昼に食べるものを選んで、夜は別のものにしよう、と。1週間の最後の方になると、昼と夜で同じものを食べたり、夜は納豆ご飯だけにしちゃうこともありました。正直、我慢していることもありましたが、当時は節約したい気持ちが大きかったので、楽しかったです。

会社員時代は、土日に作り置きをしていました。会社から帰ってきたら温めてすぐに食べられる状態にして、平日の夜は副業の作業時間に使っていました。

■副業を続けるために

――仕事から帰宅後、疲れてしまって副業になかなか手をつけられない人も少なくないと思います。ふゆこさんは会社員時代、なぜ副業を続けられたと振り返っていますか?

結果論ではあるのですが、副業の作業・プロセス自体が楽しいという状態だったのが良かったと思います。

副業を始めたのはお金の危機感から。「もっと稼ぎたい」という思いで始めました。でも最初の2年半は全然稼げなくて。お金のためだけにやっていたら、2年半も稼げなければ、やめてしまってもおかしくないと思うのですが、ブログもYouTubeも企画を考えたり、文章を書いたり、台本作りをしたりなど、調べたり書いたりする作業が私は好きで、本業で疲れてはいるのですが、作業自体に夢中になっていました。

多くの人が「稼げたら楽しい」「稼げないと楽しくない」と思うかもしれませんが、目標を達成したときだけでなく、プロセスも楽しい状態にしておくことが大事だと思います。とはいえ、やってみないと、自分がその作業を好きかどうかって正直わからない。だから、とりあえず始めてみるといいのではないでしょうか。

ただ、睡眠時間を削ってまで副業をしてはいなかったですし、本業が忙しいときは、副業を1か月ほどお休みした時期もありました。一旦休んでまた再開することの繰り返しで、結果的に続けられていました。本業で残業が全くない人はコンスタントにできるのかもしれませんが、私はそうではなかったので。できない日があったときに「もうダメだ」と思わずに、また定時で帰れるときに再開すればいいだけだと思います。

――ブログやYouTubeのどんなところがご自身に合っていると思いますか?

全部自分で決めて、自分で進められるところです。もちろん、チームでブログやYouTubeを運営している方もいらっしゃるとは思うのですが、私は企画・台本・撮影・編集と全部一人でやっていて、成果物の良し悪しを決めるのも自分。

会社員時代は上司の指示通りに動くのが嫌だったんです。イヤな部下だと思うのですが(笑)。言い換えれば主体性があるとも言えるので、自分の意思で自由にできるところがブログやYouTubeと合っていたと思います。

人によってはチームで何かを達成する喜びがないと、やりがいを感じられないという方もいらっしゃいますが、私は一人だけで仕事をすることが苦ではないので、そういうところも向いていたのではないかと。

比較的、作業と成果の回転率が高いところも好きですね。YouTubeは動画の企画を立てて、台本を作って、撮影・編集して公開して、どれくらい再生数が出るかで収入が決まってくる。一つの動画に着手して、一週間程度で結果が見えるんです。再生数や閲覧数など、評価が数字で明確に出ることも、私には合っていました。

――逆にブログやYouTubeに関することで、苦手意識のあったことはありますか?

話すのは苦手でした。しゃべるのが苦手なのに、なぜYouTubeを選んだかというと、なんとなくやってみたいと思ったから。多少上手く話せない部分があっても、編集でカットもできますし、今まで300本ほど動画を出していくなかで、話すことにもだんだんと慣れていきました。

――副業に選んだことの中で、苦手な作業があると、継続が難しいイメージがあります。

やったことがないけれど苦手だと思っていることに関しては、まずやってみた方がいいと思います。やってみないとわからないですし、やってみてから考えればいい。続けていくと慣れていきますし、「意外と大丈夫だった」と思うこともあると思います。やってみた結果、続けるのが苦しいなら、やめるという選択をしてもいい。

私の場合は、プレゼンがすごく苦手な自覚がありましたが、YouTubeをやってみたら、思っていたよりもできるんだという実感を得られました。私の場合は「苦手だ」と思い込んでいただけかもしれないです。

――副業をするにあたって、どんなことが大切でしょうか?

自分の強みを活かすことだと思います。強みとは、誰かから「やりなさい」と言われなくてもついやっちゃうようなこと。それが仕事にできたら理想ですよね。

私の場合、何かの出来事について、すごく考えちゃうんです。それを人に話したら「そんなに考えているの?」「普通はそこまで考えないよ」って言われることが多かったので、これって私の得意なことなのかもしれないと思って。そこで、考えていることをブログに書いてみたら「整理されていてわかりやすい」と言ってもらえたんです。、私からしたら普段考えていることを書いただけだったので、これは自分の強みになるんだと思えたんです

「強み」を見つけようと思うと、大それたものを探さないといけないイメージがありますが、みなさん一人ひとりが自然とやっていることの中に強みがあるんじゃないかと思います。でもそれは、自分にとっては当たり前だから気づいていない人も少なくない。

私は楽をできるところは楽をした方がいいと思っています。無理に苦手なことを続けるのではなくて、自然とやれること・やれちゃうことを副業でも本業でも選択できた方が、なるべく苦しくならずに継続できるはず。とはいえ、やったことがないのに、「できない」と否定するのも違うと思うので、「苦手だと思い込んでいるだけかもしれない」という意識は持っておいていいのではないかと思います。

【プロフィール】 節約オタクふゆこ

1993年2月14日生まれ、自らを「節約オタク」と称する節約・投資系YouTuber。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安を拭えなかったことがきっかけでお金について学ぶ。その後、奨学金477万円を返済しながら1カ月10万円で生活し、年間300万円を貯金、20代で資産1000万円を達成。現在は脱サラしてフリーランス。2021年から運営しているYouTubeチャンネル「節約オタクふゆこ」は日常的な節約法のほか、投資についての動画も初心者向けに配信して人気を集め、チャンネル登録者数は53万人を超える(2024年5月時点)。

インタビュー・文/雪代すみれ