「元気に巣立って」コウノトリのヒナに足環装着 飛来地情報などを追跡 兵庫・豊岡

AI要約

兵庫県立コウノトリの郷公園で、人工巣塔で孵化したコウノトリのヒナに足環を装着する作業が行われた。

足環は個体識別や行動記録、近親交配防止のために必要で、ヒナは孵化後41〜45日で装着される。

装着作業では慎重に行われ、ヒナが元気に成長し6月中〜下旬に巣立つ予定。

「元気に巣立って」コウノトリのヒナに足環装着 飛来地情報などを追跡 兵庫・豊岡

国の特別天然記念物・コウノトリが今年の繁殖シーズンを迎え、兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)は、同市庄境の市立三江小学校内の人工巣塔で孵化(ふか)したヒナの足環装着を行った。

足環は、個体識別やコウノトリの飛来地などの行動記録、近親交配を避けるための情報把握に必要。ヒナは孵化から41~45日後に郷公園スタッフが各地域に出向いて、足環を装着している。

18日の作業では、校庭の一角にある平成18年設置の人工巣塔(高さ13メートル)で、4月初めに孵化したと推定されるヒナが対象。郷公園のスタッフが親鳥が離れたすきに高所作業車でヒナを確保し、別の場所で獣医師の松本令以さんらがヒナの体重や体温、DNA確認のための羽毛採取、採血などを行ったうえで、識別番号を記した足環を慎重に装着して巣に戻した。松本さんは「コウノトリは臆病な鳥なので、驚かさないようにします」と話した。

当日は休日で、校庭ではサッカーの練習が行われるなどしていた。遊びに来ていた5年の稲葉友紀奈さん(10)と大友茜さん(10)は「巣塔のコウノトリは見慣れているけど、足環装着を見るのは初めて。ヒナは元気に巣立ってほしい」と興味深そうに作業を見守っていた。

ヒナは順調に育つと、6月中~下旬に巣立つという。