「コンビニ飯は不健康」は間違っている…管理栄養士が訴える「料理を手作りするよりも、健康に大事なこと」

AI要約

コンビニ飯は健康に悪いという主張に対し、管理栄養士の塩野﨑淳子さんは既製品だけでなく、偏った手作り食事も健康に悪影響を与える可能性があると指摘している。

食べ物に完璧なものはなく、栄養成分のバランスを考えて多様な食材を摂取することが重要である。

食品にはさまざまな栄養素が含まれており、栄養素ごとに単純に分類できないことについても触れられている。

「コンビニ飯は健康に悪い」という人がいる。管理栄養士の塩野﨑淳子さんは「『既製品ばかり食べているから不健康』とは限らない。手作りでも偏った食事をしていれば健康を害する」という――。

 ※本稿は、塩野﨑淳子『体に良い食べ物・悪い食べ物大誤解!』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

■「完璧な食べ物」は存在しない

 「これひとつ食べれば完ぺき」という食べ物は存在しません。

 栄養豊富と言われる食材も、とりすぎは良くないこともあるし、栄養がないと言われる食材にも役割があります。体に良い・悪いと単純に分けられるものではありません。

 大切なのは「いろいろな食べ物を万遍なく、バランスよく食べる」ことです。

 人の体にとって必要な栄養素やその働き、必要量を知ることが栄養学の基本です。

 栄養素は大きく5つに分類されており、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンで「5大栄養素」と呼ばれています。

 炭水化物、たんぱく質、脂質はエネルギー源になります。

 たんぱく質が分解されたアミノ酸や、脂質が分解された脂肪酸は、エネルギー源になるだけでなく、体を構成し、ホルモンや酵素などの生理活性物質の原料になります。

■ひとつの食品にはいろいろな栄養素が含まれている

 ビタミンやミネラルは、体の代謝や生理機能を維持・調節するために必要不可欠です。どの栄養素も健康を維持するために大切です。

 たんぱく質なら肉や魚、ビタミンなら野菜といったように、それぞれの栄養素が多く含まれる、代表的な食品があります。

 ただ、栄養学の難しいところは、食品を栄養素ごとに単純に分けられないことです。

 たとえば、「ご飯」は炭水化物に分類されますが、植物性たんぱく質が含まれています。たんぱく質と言えば「肉」を思い浮かべますが、たとえば牛肉は脂質や鉄も多い食品です。野菜もビタミンが豊富なだけでなく、カリウムや食物繊維なども含まれています。

 ひとつの食品にはいろいろな栄養素が含まれています。肉だけ・野菜だけ、さらにはその種類も偏ることなく、さまざまな食品を食べることが大切です。