【闘病】褐色細胞腫とは? 「更年期障害」だと思っていたら開腹手術をすることに

AI要約

てんこさんは褐色細胞腫と診断され、開腹手術を受けました。この病気は副腎にできる腫瘍で、ホルモンを過剰に分泌する病気です。

最初は更年期障害と勘違いされた症状があり、精密検査の結果褐色細胞腫が見つかりました。術前に血圧コントロールが必要と説明され、手術前に入院しました。

てんこさんは病名が分かったとき、ショックよりも嬉しい気持ちが強かったと語っています。

【闘病】褐色細胞腫とは? 「更年期障害」だと思っていたら開腹手術をすることに

話を聞いた「てんこ」さん(仮称)は、褐色細胞腫と診断され、開腹手術も受けました。褐色細胞腫は主に腎臓の上部にある副腎にできる腫瘍で、交感神経に関連するホルモンを過剰に分泌させる病気です。

主症状は女性の更年期障害にも似ているため、てんこさんも最初はその症状だと思い込んでいました。てんこさんの体験した褐色細胞腫の症状と治療といった闘病体験から、この病気の怖さや早期発見に必要なことを学びましょう。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

編集部:

初めに褐色細胞腫という病気について教えていただけますか?

てんこさん:

褐色細胞腫は交感神経に作用するホルモンの「カテコールアミン」を産生する腫瘍です。カテコールアミンとは、アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどのホルモンの総称になります。

褐色細胞腫は主に腎臓の上にある副腎の髄質という部分から発生し、高血圧や頭痛、動悸、発汗、不安感、便秘などの症状を引き起こします。

原因の3~4割は遺伝性のものとされており、血縁者に同じ病気を発症した方がいる場合、発症率が高くなります。また、褐色細胞腫の9割は良性腫瘍ですが、1割は悪性腫瘍(がん)の場合があるそうです。

編集部:

てんこさんが褐色細胞腫と診断された経緯も教えていただけますか?

てんこさん:

2023年春頃から突然の頭痛と動悸が出現しました。脳外科、循環器科、神経内科、甲状腺科などを受診し、検査しても異常がみつからず、結果「更年期障害だろう」ということで、婦人科で治療をしていました。

しかし、症状は全く軽減せず、最初は1ヶ月に1回程度だった発作(ひどい頭痛と動悸)が1週間に1回、3日に1回、1日に数回と増えていきました。

もう一度全身を調べようと思い、精密検査でくまなく調べたところ、腹部エコーで「左腎臓に腫瘍ができている」と言われたのが病気発見までの経緯です。

編集部:

腫瘍を発見してすぐ褐色細胞腫とは疑われなかったのでしょうか?

てんこさん:

すぐに紹介状を持参して大きい病院へ行って検査したところ、GIST(消化管間質腫瘍)と診断されました。しかし、場所は特定できず、「手術で見ないとわからない」と言われました。

仕事の関係で約1ヶ月後に手術日も決まり、術前検査など着々と準備も進めていました。しかし、その間も発作は続いており、ひどい時には不整脈、嘔吐、手のしびれや震え、めまい、ひどい便秘が出現することもあり、どんどん体重も減少していました。

GISTでは発作時の症状はでることはないと言われていたので、「やはり更年期障害だろうか」と思っていました。

あまりに発作が辛く、どうしても気になり色々自分で調べていたところ、褐色細胞腫の症状に当てはまるため、担当医に相談して内分泌科で詳しい検査をしてもらうことにしました。

編集部:

結果はどうでしたか?

てんこさん:

そのときの検査結果で褐色細胞腫と判明し、発作時は血圧が大幅に上がっていることに気付かされました。すぐに降圧剤の内服が始まり、手術も内視鏡から開腹手術に変更となりました。術後の説明では「左副腎に腫瘍ができていたため、一部を切除した」とのことでした。

編集部:

病名の告知を受けたときの心境はどのようなものだったでしょうか?

てんこさん:

1年くらい苦しんでいたひどい頭痛と動悸の原因が分かりましたので、ショックよりも「本当に嬉しい」という気持ちの方が強かったです。

編集部:

褐色細胞腫と判明したとき、医師からはどのように治療を進めると説明されたのですか?

てんこさん:

褐色細胞腫と分かってからは「手術の前に血圧コントロールをしないといけません。血圧コントロールのために予定より一週間早く入院してください」と説明されました。