年金月15万円・82歳のおひとり様女性「終の棲家」として「老人ホーム」に入居も、「わずか6ヵ月」で退去勧告の大誤算

AI要約

多くの人にとって人生史上最大の夢であるマイホーム。老人ホームへの移動を考える人も増加している現代社会。

高齢者の1人暮らしには広すぎる家、介護が必要になってもプライバシーや設備に不安がある場合、老人ホームが選択肢に。

老人ホームの入居費用や月額費用を考慮して、岡田さんの場合の検討過程を紹介。

年金月15万円・82歳のおひとり様女性「終の棲家」として「老人ホーム」に入居も、「わずか6ヵ月」で退去勧告の大誤算

多くの人にとって人生史上最大の夢であるマイホーム。「最期もこの場所で」と誰もが思うものですが、家を維持・管理していくのも大変と断念する人も。その場合、老人ホームがひとつの選択肢になりますが、入居先が決まったからといってひと安心とはいかないようです。

岡田由美子さん(仮名・82歳)。5年前に50年連れ添った夫が他界し、以来、1人暮らし。子育てしていたころは手狭に感じていた家も、高齢者の1人暮らしには広すぎで、使わない部屋ばかりだといいます。体力的にも広い戸建てを維持していくのも大変と感じる日々だとか。

スクールバス空間設計株式会社が戸建てに住む60歳以上の男女に対して行った『「終活と暮らしの変化」に関する調査』によると、「高齢になってから現在の住まいに対し住みにくいと思ったことがあるか」の問いに対し、「ある*」32.7%。そう思ったタイミングとして最も多かったのが「使わない部屋や場所が増えた」で44.0%。「へやの掃除や家事が大変に感じた」「冬場や夏場の室内温度の調整が難しい」「急な階段の昇り降りがツライ」と続きます。

*「よく思う」「たまに思う」の合計

また「この先も自宅に住み続ける予定ですか?」の質問に対しては、81.2%が「住み続ける予定」と回答するものの、「わからない」は15.3%、「引越しを考えている」が3.5%。約2割は自宅に住み続けることに嫌気が差していたり、すでに行動を起こそうとしたりしています。

――この家が終の棲家だったら

50年近く住んでいた自宅。当然愛着はあるし、最期はここでという思いもあります。しかし現実問題、いつかわからないそのときまで、我慢し暮らしていくのもそろそろ限界かなと感じているという岡田さん。

離れて暮らす子どもたちからは同居の話もありましたが、80歳を越えて知らない街で暮らすのもシンドイ……いろいろ考えた末、辿り着いたのが、自宅を売却して老人ホームに入居するという選択肢だったといいます。

老人ホームの入居費用で考えるべきは、入居一時金と月額費用。入居一時金は家賃の前払いのようなもので、その費用はゼロ円~数千万円、最高級の老人ホームになると億を超えることも珍しくはありません。

月額費用は、毎月かかる費用で、家賃のほか、管理費、水道光熱費、食費などを含むことが多く、外部に依頼する介護サービス費用や日用品、美容品などは含まれないケースが多いようです。

岡田さん、入居一時金は1,000万円、月額費用は毎月の年金15万円にプラス3万円くらいが上限と予算立て。その費用のなかで、将来、介護が必要になっても対応してくれるところ、プライバシーが確保できるところなどの条件にあった施設をピックアップし見学。そのなかの1軒、同じ市内にある有料老人ホームへの入居を決めたといいます。