中学受験塾とスポーツ少年団の何が違う 親の期待とバックアップは比例しない 桜井信一 桜井信一の攻める中学受験

AI要約

中学受験における親の負担とスポーツ活動における親の参加の違いについて述べられています。

子供の教育に対する親の意識の違いや塾に対する依存度などが考察されています。

勉強に対する期待とスポーツに対する期待の違いが親子関係に与える影響について論じられています。

中学受験塾とスポーツ少年団の何が違う 親の期待とバックアップは比例しない 桜井信一 桜井信一の攻める中学受験

子どもを育てるという役割、とても大変だとつくづく思います。中学受験塾に通う子どもたちの親は40歳前後から40代半ばの方が多いでしょうか。この年齢は、親自身の人生においても重要なことが多いように思います。仕事で重責を担っている最中の方もいるでしょうし、今からやりたいことに挑戦するという方もいるでしょう。

そんな時に子どもが中学受験と言われても、これは塾に任せるしか仕方がない。あるお母さんが「小学校の宿題で国語の音読があるでしょ。あのサインすらしてやる時間がない」というのです。そりゃ時間はあるのでしょうけれど、バタバタしていてそれどころではない。落ち着いた時間が流れる毎日ではないということをおっしゃりたいのでしょう。

でも不思議に思いませんか。小学生がスポーツをしている場合、わかりやすい例が「スポーツ少年団」ですが、たくさんの親がお手伝いをしていますし、練習中は見学もしています。夜の小学校の体育館で剣道をしているところを覗いてみても、お父さん、お母さんが練習を見学しています。少年野球も同じ。頻繁に行われる練習試合の車出しは、みんなで協力してこなしています。かなりの時間と手間暇がかかるのにそれが出来ているのです。

当然、同じように40歳前後から40代半ばの親たちが頑張っているのです。何が違うのでしょうか。

中学受験生の親といえば、「算数はよくわからないから」が決めゼリフ。でも、剣道も野球もよくわからないはず。昔、剣道を習っていたという親は算数も習っていたはずなのです。もっというと、中学受験を経験している親もいるくらいです。子どものスポーツは付き合えるけれど、勉強は付き合えない。スポーツの見学時間は割けるけど、勉強を見てやる時間はない。この違いは何でしょうか。

「塾」という存在が、何もかも任せて大丈夫。親は送迎だけでも充分頑張っているというのが常識になっているからでしょう。その結果どういうことが起きているでしょうか。 入塾した時の志望校とは程遠い、ボリュームゾーンに停滞したまま月日だけが流れます。

一方で、スポーツより勉強の方が重要だと考えている親は多いのではないでしょうか。スポーツで平均的な成績の子に対して、怒りに任せて罵ることはあまりないでしょう。ところが、送迎だけしかしていない勉強で平均に停滞すると親子でバトルを繰り返します。期待する方と期待される方の意識レベルが相当乖離しているはずです。