【40代、50代・薬と上手に付き合う方法⑥】薬で依存症になることがある!?

AI要約

薬の依存性について薬剤師の鈴木素邦さんの意見を紹介。薬は上手に使うことが大切であり、生活習慣の改善が重要である。

便秘や下痢の場合、薬の使用方法や場面について具体的なアドバイスがある。原因を考えて適切に薬を使うことが大切。

頭痛や痛みの軽減についてもアドバイスがあり、どのような場合に薬を使うべきかが示されている。

【40代、50代・薬と上手に付き合う方法⑥】薬で依存症になることがある!?

薬にはメリットとデメリットがある。そのデメリットには「依存性」が挙げられる。今回はそんな薬の常用と、そこから発症してしまう依存症について、薬剤師の鈴木素邦(そほう)さんに伺った。

体調が悪いとき、病気になったときは「薬が治してくれる」と思っている人は少なくない。もちろん薬がないと健康を維持できない場合もあるが、体調を整えたり、病気を治すのはあくまでも自分自身だ。

「そのよい例が、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の薬や便秘薬です。その薬に頼り切って、原因を作った生活の悪習慣を改善しなければ意味がありません。薬は上手に使うことが大切です。

例えば便秘の場合、その原因は食事で食物繊維が足りていない、そもそも食事量が足りていない、水分が足りていない、運動不足などで腸管の筋力が低下している、またはストレス過多などが考えられます。

まずはその原因を考えて生活習慣を改める必要があります。便秘薬はそれでも出ない場合にスポット的に使うのがいいでしょう。薬に頼りすぎるだけでは、根本的な解決にはなりません。

下痢の場合、特にウイルスや細菌が原因なら、それらを早く体外に排出するために下痢になっているので、下痢止め薬は使わずに、すぐに医療機関を受診してください。ストレスによる下痢といわれている過敏性腸症候群(IBS)や冷えが原因の下痢などには、下痢止め薬を一時的に使用するのはいいでしょう。しかし2日以内に症状が改善しない場合は、原因を知るためにやはり医療機関の受診を。

一方、頭痛や生理痛などの痛みを軽減する鎮痛薬は、我慢せずに早めに飲むことをおすすめします。痛みは体に起きた炎症を脳に伝えるサイン。鎮痛薬はその痛みを伝える道筋を遮断するタイプと、痛みを伝える物質の量を減らすタイプがありますが、これらに常用性はありません。痛みを我慢するほうが体力を消耗してしまうので、服用するのがいいと思います。いずれも用法・用量を守り、空腹時を避け、長期服用(月に10日以上)をしないことが条件です」