あくびの正体とは?【40代・50代の睡眠改革】
秋になって眠気が増す理由やあくびの正体について、快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんが解説。あくびは脳の疲れを癒すための自然な行動であり、脳の温度を下げる役割があるという。
あくびには眠気を解消するだけでなく、酸素不足を補うためや脳の覚醒を促すための側面もある。ただし、生あくびとして突然増えた場合は脳梗塞や脳腫瘍などの可能性も考えられるため、異変には敏感に反応することが重要。
秋の夜長シーズンを迎える今、夏の疲れを癒し、カラダの声に耳を傾けながら、質の良い眠りを取るための準備をすることが大切。ヨシダさんは、散歩やお昼寝をするなどして脳のリフレッシュを促すことを提案している。
ネムリノチカラ代表、快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんと「質の良い睡眠」を探求するOurAge連載「ニッポンマダムの睡眠改革 」。今回お話しいただいたのは、“あくびの正体”についてだ。
「記録的に暑かった夏も、だんだんと秋の気配がパーセンテージを上げてくると、なんだか眠くなる時間が増えた気がしませんか?
夏の疲れかな?なんて思うのですが、あくびも増えてやっぱり少しだけ寝つきも良く、寝やすくなってきていますよね。
そうそう『あくび』って不思議じゃないですか? 大人も子ども赤ちゃんも、みんな眠くなると自然にふぁーって口が開いて、何度も繰り返しているうちに瞼が重くなって寝てしまう」
「この『あくび』は解明されていない事も多いらしいですが、機能としては眠くなった時に脳の温度を下げるためにする現象とのこと。
あれこれ考えることで脳を使いすぎると熱を持ち、脳疲労を起こしてきます。そこで口をぽっかり開けて息を吸い込むと、外気が喉の方に入ってきます。
その外気が喉やその付近の血管を冷やすことで、脳を守ろうとしているのです。
そのほかに酸素不足を補うためや、脳の覚醒を促すためにあくびをしているとも言われています。確かに言われてみれば、何か不足しているような感じで無意識に息を吸い込んでいます。
脳の疲れが眠気に変化してきた時に、それを元に戻そうと『あくび』をする。いつも午後の会議の席では、あくびが止まらないなんてことも」
ただ、あくびにもカラダからの異変を知らせようとしている別のサインの場合もあるので見極めが時として必要かもとヨシダさん。
「眠くもないのにやたらあくびがでる。いわゆる『生あくび』と呼ばれるものです。手足の痺れなどをともなうと脳梗塞や脳腫瘍など、とても危険な場合もあるので、なんかいつもと違う! と思ったらすぐに病院へ。
あくびは私たちへの『そろそろ、やすみませんか?』のお知らせですから、昼間であれば少し散歩するか、お昼寝をするなどして脳のリフレッシュをする。夜なら就寝の準備にとりかかり、少し早めのお休みもアリだと思います。
これから秋の夜長シーズンです。しっかり夏の疲れを癒し、カラダの声に耳を傾けてくださいね。では、今宵も良い眠りを」
【話してくれたのは】
ヨシダヨウコさん
ネムリノチカラ代表。快眠コンシェルジュ。日本睡眠学会正会員。寝具店の娘として生まれ、心地よい睡眠を幼児期より体験するが、社会人になりたての頃、働きすぎで体調を崩す。また、実母の介護生活からも睡眠の重要性を再認識する。
漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想、ストレッチなどを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っている。著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)がある。