脳卒中予防にはコーヒーより飲む量に左右されないお茶がいい?

AI要約

コーヒーやお茶は健康に良い飲み物であるが、カフェインを含むため飲み過ぎには注意が必要。

国際的な研究結果によると、コーヒーは1日4杯までは脳卒中と関連はないが、5杯以上でリスクが高まる傾向がある。

一方で、お茶は飲む量に関わらず脳卒中のリスクを低下させる効果があり、1日5杯以上飲む人はリスクが19%低下していた。

脳卒中予防にはコーヒーより飲む量に左右されないお茶がいい?

【医者も知らない医学の新常識】

 コーヒーやお茶は、適度に飲む範囲では健康に良い飲み物だと考えられています。コーヒーに含まれるクロロゲン酸や、お茶に含まれるカテキンなどの生理活性物質には、抗酸化作用など多くの病気の予防につながる健康効果が確認されています。

 ただ、どちらもカフェインを含んでいて、カフェインには脈拍を上げる作用があり、血圧を上昇させる可能性もあることから、高血圧などのある方は飲み過ぎに注意が必要、という意見もあります。それでは、高血圧にも関連のある脳卒中への影響はどうなのでしょうか?

 今年の脳卒中研究の専門誌に、それについての国際的な研究結果が報告されています。世界32カ国が参加し、脳卒中の患者1万3462名が対象となった研究によると、コーヒーは1日4杯までは脳卒中と関連はなかったものの、5杯以上でそのリスクが高まる傾向がありました。

 その一方で、お茶(紅茶や緑茶などすべて)は飲む量に関わらず、脳卒中のリスクを低下させていました。1日5杯以上お茶を飲む人は、飲まない人と比較して、そのリスクが19%低下していたのです。コーヒーもお茶も、1日3~4杯程度であれば脳卒中に対しては安全な飲み物と言えそうですが、コーヒーの飲み過ぎは、そのリスクを高める可能性があるので、注意が必要かもしれません。

(石原藤樹/「北品川藤クリニック」院長)