米国と対立する「中国・ロシア・北朝鮮」ってお互いに仲が良いの? 3国の関係性をわかりやすく解説【親子で語る国際問題】

AI要約

米国の影響力が低下している中、米国、中国、ロシア、北朝鮮との関係は複雑だが、国益に基づき協力や協調が行われている。

中国は北朝鮮を支援しても、属国化は望んでおらず、ロシアとは協力を強化しつつもウクライナ侵攻には困惑している。

中国は国際社会からのイメージを気にして過度なロシア接近を避け、相互の利害関係を重視して行動している。

米国と対立する「中国・ロシア・北朝鮮」ってお互いに仲が良いの? 3国の関係性をわかりやすく解説【親子で語る国際問題】

世界における米国の影響力は以前より明らかに低下していますが、それでも依然として世界で最も経済力と軍事力を持つ国であることは変わりません。その米国と日本は同盟関係にありますが、中国やロシア、北朝鮮など日本の近隣諸国は、米国とは対立関係にあります。この三国は、反米という面で同じではありますが、それぞれの関係はどうなっているのでしょうか。

はじめに結論となりますが、米国と対立しているからといってそれぞれの関係が決して良いというわけではなく、それぞれの国は自分たちの国益に基づき、利害が一致する範囲において協力、協調するという姿勢です。

たとえば、長年北朝鮮を支援してきたのは中国ですが、北朝鮮を属国化する狙いは更々ありません。北朝鮮を全面的支援するのは中国にとっても大きな重荷となり、“可能な限り支援はしますが、自分たちのことは自分でやってください”というのが本音でしょう。また、現実的な可能性は限りなく低いですが、北朝鮮でクーデターのようなものが生じれば、多くの難民が中国に押し寄せる可能性もあり、中国としては北朝鮮で騒ぎが大きくなることを望んでいません。北朝鮮を支援し続ける背景にもそれがあるでしょう。中国にとって北朝鮮は“何か大きな爆発が起きないよう、定期的に点検しなければならない”存在と言えるでしょう。

また、中国とロシアの関係ですが、両国は政治や経済など様々な面で協力を強化しています。米国を牽制し、米主導の国際秩序とは一線を画す新たな世界の構築を目指すという範囲で両国の思惑は一致していますが、ウクライナ侵攻など行き過ぎた行為には正直なところ困惑しています。

中国はウクライナ侵攻後もロシアと経済関係を強化していますが、その行為を正当化するような発言はしたことがなく、ロシア寄りの姿勢に撤することで国際社会からの中国イメージが悪くなることを警戒しています。中国にとってロシアは反米という範囲では良きパートナーと呼べるでしょうが、過度な接近は避けたほうが良いと感じているでしょう。ちなみに、接近したい気持ちでは中国よりロシアのほうが強いと考えられます。