"可愛い義足”でメダルを…陸上と絵本作家の二刀流・前川楓がパリパラへ 苦しみ変えたトップ選手との2カ月
パリパラリンピックに出場する前川楓選手は、陸上選手でありながら絵本作家でもある異色の経歴を持つ。事故で右足の太腿から下を失いながらも選手として活躍しており、義足には「くうちゃん」のシールが貼られている。
苦しい時期もあったが、イタリアでの修行時にトップ選手からの言葉で支えを得て立ち直り、パリパラリンピックに向けて自己ベストを更新し、メダルを目指している。
走り幅跳びに挑戦する前川選手は、練習に励みながら、ファッションショーにも出演するなど幅広い活動を行っている。パリでは3度目のパラリンピックとなり、期待が高まっている。
パリパラリンピックで走り幅跳びと100メートルに出場する三重県津市出身の前川楓(かえで)選手は、陸上選手でありながら絵本作家でもある「二刀流」です。
10代の時、事故で右の太腿から下を失い、「義足はかわいい!」を合言葉にパリでメダルを狙いますが、初めて出場したリオパラリンピック後は、陸上との向き合い方に、心を病むほど苦しみました。苦しみから救ったのは、イタリア修行で共に時間を過ごしたトップ選手の言葉でした。
パリパラリンピックで走り幅跳びと100メートルに出場する前川楓選手(T63 片大腿義足)は、三重県津市出身の26歳で、練習の合間には大好きな絵を描く絵本作家でもあります。
【前川選手の作品「くうちゃん いってらっしゃい 作・絵 まえかわかえで」】
くうちゃんは ぎそくを はきます
あしを いれて
ぐっぐっ ぷしゅ ぷしゅ はけた はけた
前川選手の義足には、「くうちゃん」のシールが貼られていました。
前川楓選手:
「パリはまたシール変えようかなって思っていて」
合言葉は「義足はかわいい!」。ファッションショーにも出演するアスリートです。
8月21日、大阪で会った時には、髪の色がパラリンピックのシンボルマーク「スリーアギトス」の赤・青・緑になっていました。
多い日は1日6時間程練習する前川選手。パリは3度目のパラリンピックで、自己ベストを超える5メートルを飛んで、メダルを目指します。
前川選手:
「最近めっちゃ踏めるようなってきて、すごくいいジャンプができるようになってきたんですけど、それが踏めるってことは高く上がるんですよ。その方向が、走り幅跳びって前に跳ぶスポーツなので、自分の足だと微調整できるじゃないですか。でも私たちの場合は膝も義足なので動かせないんですよ。自分でどこに踏んでいるのかみたいなのを、血が通ってるくらいわかるようになるまでならないと結構難しいですね」
前川選手は2012年、愛犬のくうちゃんの散歩中に事故に遭い、右足の太腿から下を失いました。