「一番楽しんでいる人が一番結果が出る」愛媛から“跳躍のエース”石山大輝選手が初パリパラリンピックでメダル目指す

AI要約

石山大輝選手がパリパラリンピックの走り幅跳び競技に初挑戦。コーチや自身の素質を活かし、メダル獲得を目指す意気込み。

石山選手は視覚障害のT12クラスで競技し、障がいを乗り越えながら成長してきた経緯を持つ。

自信とポジティブな性格を武器に、修正力を活かして成績を伸ばし、大舞台でも楽しみながら競技を行う姿勢を貫く石山選手。

「一番楽しんでいる人が一番結果が出る」愛媛から“跳躍のエース”石山大輝選手が初パリパラリンピックでメダル目指す

パリパラリンピックが8月30日に開幕。この大舞台で、走り幅跳びの競技に愛媛から初めて挑むのは、日本選手団の旗手も務めた石山大輝選手だ。コーチが「伸びしろしかない」と太鼓判を押す秘めた素質と持ち前の修正力、ポジティブな性格を武器にメダルの獲得を誓っている。

走り幅跳びでスピードに乗った助走から軽やかな跳躍を見せる石山大輝選手は、視覚障害の3つのクラスのうち、真ん中のT12で今回、初めてパラリンピックに出場する。

石山大輝選手:

(踏切の瞬間の感覚は)「いけー!」と思っているので、自分の中でいつも練習している通りにしっかりやればいい記録が出ると信じている。ちょっと子どもみたいですけど、記録が伸びるのは本当に楽しいです。

松山市出身の石山選手は、中学から陸上をはじめ、新田高校へ。高校生の時に先天性の網膜色素変性症と診断された。

石山大輝選手:

僕の方で特に悪いのは視野の部分。見えている範囲が少し狭い。5円玉をのぞくとか、双眼鏡を付けている形がイメージしやすいと思います。

石山選手は障がいの影響で練習も制限される中、三段跳びでインターハイに出場。聖カタリナ大学に進学し、大学3年の時にパラ陸上に転向した。2022年の日本パラ選手権の走り幅跳びでは7メートル03で、いきなり頂点に立つなど一気に注目を浴びる存在になった。

石山選手の強さの秘密は、自分の感覚を客観的に分析し、決勝の6本までにベストの跳躍を作り上げる修正力だ。

2024年5月に行われた世界選手権では、自らの持つ日本記録を更新する7メートル08で銀メダルを獲得。このときも最終6回目での大ジャンプだった。

そして最大のストロングポイントは、自他ともに認めるポジティブな性格だ。

石山大輝選手:

プレッシャーに強かったりだとか、大舞台で試合を楽しんで競技できるのは自分の中でも強みと思う。パラリンピックも雰囲気にのまれずに、自分の色を出して競技を楽しんでいければ、結果がついてくると思います。

石山選手は聖カタリナ大学を卒業して、順天堂大学大学院に進学。トップクラスの環境の中でさらなるレベルアップを目指してきた。フィジカルの強化などはこれからの課題。しかし、描いてきた成長曲線は大きな期待を抱かせます。

順天堂大学・青木和浩コーチ:

本人にも言ってるんですけど、本当に最低限の体力の中でそういった記録ができていると思う。まだ伸びしろしかないかなと思います。「これからがスタートだ」と本人にも言っています。

石山選手を指導する青木和浩コーチは、「7メートル50~60という距離は、将来的には全然不可能ではない」と期待。「メダルや世界記録を意識しながら競技してもらいたい」と話す。