「笑う・歌う・泣く」が自律神経を整える…ストレスや不安を感じた時に効く東洋医学の知恵
ストレス解消のためには、歌う、笑う、泣くという行為が効果的である。
歌うことは胃に良く、お腹の筋肉を使い抗ストレスホルモンの分泌が促される。
笑うことは免疫力を高め、NK細胞の活性化に繋がる。
忙しさやプレッシャーなどが重なると陥りがちな不調……。「心のバランスを整え、健康を保つことは、体の健康につながる」と語るのは、予約の取れない鍼灸師で、不調との向き合い方をSNSなどで発信しているTC鍼灸マッサージ院・院長の森田遼介氏。
同氏の著書『自律神経にいいこと大全100』では、100通りの簡単なセルフケア(養生)の方法を紹介しています。そこで今回は、ストレスをやわらげ、気持ちをラクにする考え方のコツや習慣・ツボを解説。不安なニュースで心が乱れた時の養生の仕方についても言及します。
「歌う」「笑う」「泣く」は、ストレス解消に効果的な行為です。
まず歌うことは、東洋医学で「胃」に良いといわれています。ストレス発散になるのはもちろんのこと、お腹の深い筋肉を使うため、抗ストレスホルモンが分泌される腸が正常な位置に収まります。胃が正しい位置に収まると、正常なホルモン分泌につながります。
次に笑うことは、体の免疫力がアップするといわれています。これは、がん細胞やウイルスなどを攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化するためです。
また、糖尿病の患者さんに漫才を見てもらったところ、食後の血糖値の上がり方がゆるやかになったという研究結果もあります。
メンタル面の効果としては、落語鑑賞をすることで、ストレスと関わりのある唾液中のホルモンの分泌量が減少したという研究結果もあるほどです。
最後に泣くことの効果。みなさんは最近泣いていますか? 涙を流した後は、ストレスホルモンであるコルチゾールの血中濃度が低下することが分かっています。
歓喜や怒り、悲しみ、悔しさなどの“情動(じょうどう)の涙”は人間だけに備わっているものです。ストレスを感じると交感神経が一時的に優位に働き、自律神経は乱れますが、そんな時にこの“情動の涙”が自律神経のバランスを回復してくれるのです。
しかし精神的につらい時は、このような感情をいつの間にか忘れている人が多くいます。感情を出しやすいカラオケや映画館へ積極的に足を運んでみてはいかがでしょうか。泣きたい時は我慢をせずに泣きましょう。