「日大の立て直しは“外圧”しかない」常任理事をクビにされた精神科医・和田秀樹が警鐘

AI要約

日大で起きている不祥事を取り上げた報道が、大学側の主張を覆す内容を示している。

過去にラグビー部や重量挙げ部などで起きた様々な不正行為が続出し、日大の改革が進まない状況が明らかになっている。

外部からの圧力や文科省の介入が必要とされており、日大の改革が進まない場合には、入試生や保護者の信頼を失うリスクが高まることが指摘されている。

「日大の立て直しは“外圧”しかない」常任理事をクビにされた精神科医・和田秀樹が警鐘

 不祥事が続く日大で、日大側の主張を覆す報道が飛び出した。

 ラグビー部の新入部員が2022年に上級生から大麻のようなものを吸うよう強要されたと訴えている問題をめぐって、大学側は23年、保護者に「1対1のやりとりで証人がいない」と説明したとされるが、FNNの取材に元部員は「1対1ではない。僕の友達もいた」と証言したというのだ。

 パリ五輪直前の7月には、入学金や授業料を免除されている重量挙げ部の奨学生部員に対し、幹部が免除相当額を徴収していた事実も発覚。悪事は10年に及んでいたという。

 悪質タックル問題やアメフト部の違法薬物問題など度重なる不祥事にも、反省ゼロは明らかだろう。

■今は旧態依然の体質に逆戻り

「日大も、林(真理子)さんが理事長になり、一度は改革に向かうはずでしたが、今は旧態依然の体質に逆戻りです。外から圧力をかけない限り、変わりません」

 こう言うのは、精神科医の和田秀樹氏。23年7月に日大の常務理事になったものの、今年1月、理事に誘った林理事長から事実上の“クビ宣告”を受けた。そのいきさつをまとめた著書が「さらば日大!」(ブックマン社)だ。中高年向けのベストセラーを次々と世に送り出す和田氏だが、本書では体験談が生々しい。

 それにしても、日大はなぜ不祥事が続くのか。

「アメフト問題に対する第三者委員会の答申検討会議では、『日大村』と皮肉たっぷりに内部で固まる日大の体質が強く批判され、外部の声を受け入れることが求められています。ところが、私の後任人事は、第三者委員会が示した方向性とは真逆で、日大のプロパー職員。医学部でも同じ流れで、他大学出身者が更迭され、日大出身者が据えられています。旧態依然とした体質が、不祥事続きをウヤムヤにして改革を遅らせているのです」

 そこで必要なのが外圧で、和田氏は私見として文科省に期待する。

「不祥事の連発で日大への私学助成金は、今後も不交付が続くでしょう。そこで、助成金の監督官庁である文科省が、たとえば“改革の徹底が認められない限り、再交付はない”といったことを打ち出せば、日大も改革せざるを得ません」

 今年の入試で志願者数を3割近く減らした日大。失地回復できなければ、受験生やその保護者の人気をさらに失うはず。受験料収入激減という“外圧”は不可避だ。