令和のコメ不足「9月解消」は本当か?在庫不足、価格高騰…南海トラフ地震の緊迫化で拍車

AI要約

日向灘で震度6弱の地震が発生し、南海トラフ地震の警戒が高まった。コメの流通にも影響が出ており、備蓄は不向きとされている。

現在はコメの在庫不足が起きており、価格が高騰しているが、9月中旬には解消される見通し。新米も価格高騰が見られるが、一大産地の収穫が期待されている。

自宅にコメの在庫がない場合は、直売所や道の駅で購入することがオススメされている。パニックになる必要はないとのこと。

令和のコメ不足「9月解消」は本当か?在庫不足、価格高騰…南海トラフ地震の緊迫化で拍車

 8日に宮崎・日向灘で震度6弱の地震が発生したことで、一気に緊張が高まった南海トラフ地震。南海トラフ地震の想定震源域で大地震が起こる可能性が高まっているとして、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を出し、15日までの間、注意を呼びかけた。

 その影響がコメの流通を直撃。大地震に備えて食料の備蓄に走る人が増えたことで、スーパーや量販店の店頭からコメが消え、「令和のコメ騒動」といわれる事態に。だが、コメの備蓄はあまり意味がないという。

「コメは災害備蓄に不向きな食品です。なぜなら購入後、20日後からおいしさが損なわれていく上に、今の高温多湿の状況で備蓄すると、虫が発生する可能性が高いからです」

 こう話す米流通評論家の常本泰志氏は、今のコメ不足に慌てる必要はないとこう続ける。

「今はコロナ明けの飲食店の営業再開やインバウンドの影響などでコメ需要が旺盛なため、昨年の令和5年産米の在庫がなくなりつつある中、新米が出始めるちょうど端境期にあります。そのためコメの在庫が不足し、価格が高騰しているのです。それに南海トラフ地震の緊迫化が拍車をかけています。それでも、9月中旬ごろまでに在庫不足は解消されるはずです」

 コメの在庫は昨年に比べて減少しているものの、現在全国に156万トンほどあるため、農水省は不足はないとしている。新米については早場米の価格高騰が著しいが、常本氏は10月中旬までに落ち着いてくるとみている。

「現時点で新米の卸値は5キロあたり前年比で1000円以上高い状況です。千葉の『ふさおとめ』という銘柄の場合、昨年5キロで1680円程度だったのが今年は2700円程度まで高騰。昨年10月の新潟・魚沼産の価格を超えている状況です。しかし、新潟などの一大産地は昨年より天候がいいため、今年は質量ともに期待できます」

 現時点で自宅にコメのストックがない場合、どうすればいいのか。スーパーになくても、メルカリやインスタでコメが販売されているが、いずれも高値で出品されているため、オススメしないという。ある農家の男性はこう話す。

「新米が出始めているエリアの直売所や道の駅であれば、コメが確保できると思います。関東なら、千葉や茨城あたりです」

 コメを備蓄しておきたい気持ちは理解できるが、パニックになる必要はない。