家の猫の話 Vol.4/執筆: ピエール瀧

AI要約

ウチにいる三匹の猫のうち、二匹はカギ尻尾の猫で、その特徴や由来について説明されています。

猫がカギ尻尾になる遺伝子についての情報や、日本と東南アジアの猫の関連性に触れられています。

猫が長い尻尾の妖怪に関連するとされていた逸話や、化け猫についての情報が紹介されています。

家の猫の話 Vol.4/執筆: ピエール瀧

ウチにいる三匹の猫のうち二匹はカギ尻尾の猫です。

カギ尻尾というのは、尻尾の途中や先端が折れ曲がっている状態のことを言います。

ウチで該当するのはコンブとコロッケで、共にオス猫。二匹とも長い尻尾の先端部分が90度くらい曲がっていて、ちょうどステッキの持ち手のような感じになっています。一方メス猫のブイヨンは先端までまっすぐな尻尾です。

二匹とも怪我などの理由でそうなったわけではなく、先天的に曲がっているので「そういや、なんでなんだろ?」と“ヤホー”で調べてみたら、興味深い事実が判明しました。

猫が先天的にカギ尻尾になるにはHES7という遺伝子が関係しているらしく、この遺伝子を持つ猫のオリジナルはインドネシアやマレーシア等の東南アジア地域が原産とのこと。確かにマレーシアに行った時に猫たくさん見ました。

江戸時代に唯一オランダと交易をしていた日本。当時、日本に向かうオランダ商船の寄港地が東南アジアにあったそうです。積荷をネズミから守るために港で猫を乗せ、その船が海を渡って長崎に到着すると、船から降りた猫たちが長崎に住み着いたらしいです。

また、昔は「長い尻尾の猫が長く生きると猫又(尻尾が二つに分かれた妖怪)になる」と言われていたので、尻尾の曲がった猫を「こいつなら大丈夫じゃね?」と重宝したとのこと。さらに、尻尾の曲がった猫は「幸運を引っ掛けてくる」とも言われていたので、縁起担ぎで可愛がられて大事にされたのでしょう。

東南アジアから海を越えてやってきて数百年も子孫をつなぎ、その末裔が今ウチのリビングで呑気に寝っ転がっていると思うと、ちょっと特別な感情が湧いてきます。しかもNO猫又が約束された安全な奴らですし。

ただちょっと気になる記述も。猫又と同じように有名な猫の妖怪の化け猫。

ネットの質問に「猫は何年で化け猫になりますか?」という項目があり、その回答として「12~13 年で化け猫になります」とありました。コンブはウチに来てすでに17年。実はもう化け猫なのかもしれません。コレは由々しき問題です。

化け猫のなす怪異としての記述には「人間を祟る」「人を襲う」「死人を操る」等がありましたが、その他に「人間の言葉を喋る」や「手拭いを頭にかぶって猫踊りをする」というのもありました。どうせなら後者の方であってほしい。面白いし。

というわけで、今日からコンブの近くにはなるべく手拭いを置くようにし、少しづつそっち側に誘導しておこうと思います。飼い主の責任として。