「“プールに1滴”単位でも違いが分かる」優れた嗅覚と味覚を持つウイスキー職人 世界で最高評価の「山崎25年」にも携わった職人の誇り
日本のウイスキー造りの職人の研ぎ澄まされた感覚と伝統を紹介。
サントリーの主席ブレンダーである輿石太さんの情熱と責任感、ウイスキー作りの過程を紹介。
日本でウイスキーが誕生して100年を迎え、輿石太さんが繊細なお酒を作る姿勢と、山崎蒸留所の歴史を紹介。
今、世界が注目する日本のウイスキー。
ウイスキー造りの職人の研ぎ澄まされた感覚は、もはや理解不能の域だ。
サントリー 主席ブレンダー 輿石 太(こしいし・ふとし)さん:ちょっと足りないなとか、もっとおいしくするためにはどうしたらいいかなって時は配合を一滴、垂らすみたいな。
琥珀色に溶け込む、職人の誇りと伝統。
サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん:『おいしいよね』っていっていただけるように、それを持続しないといけない。それは僕なりの責任感ではないかなと思っています。
日本にウイスキーが誕生して100年。歴史を紡ぎ、次世代へとつなぐ。
輿石 太さん(61歳)の趣味は、自宅の庭いじりだ。
サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん:無心でできるところがいいですよね。この暑い中やるっていうのが、またいいじゃないですか。
繊細なお酒を作る男、静かな生活を送っている。
大阪と京都の境に位置する「山崎」は、水の名所としても知られている。
山崎蒸留所。およそ100年前、日本で最初のウイスキー工場がこの地に作られた。
毎朝4時に起きて、誰よりも早く出社する輿石さん。“ブレンダー”と呼ばれ、ウイスキーの味を生み出す、とても大事な役割を任されている。
サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん:午前中の時間っていうところが、一番新鮮にものを見られるといいますか。一番分かりやすい時間だと思っていて。
ウイスキーを作る上で欠かせないのが、樽の中での熟成。樽の素材、熟成期間、貯蔵される場所によって、その味は大きく変わる。
それぞれの樽の中身は原酒と呼ばれ、透明だった原酒は長い年月を経て、樽の色や香りが溶けこみ、琥珀色へと変わっていくのだ。
ブレンダーはさまざまな原酒を組み合わせ、幅広いウイスキーを作り出していく。
オランダからの観光客:素晴らしい、今までで一番だよ。とても多層的な味わいだ。一度に色んな味が押し寄せてくるね。