子どもへの病気の遺伝を避ける「着床前検査」、日産婦が審査結果公表

AI要約

着床前検査が国内で広がりつつあり、日産婦が疾患の検査を認める基準を緩和していることが明らかになった。

着床前検査では受精卵から遺伝情報を調べ、遺伝性疾患を回避する目的もあるが、子宮に移植する受精卵を選ぶことは『命の選択』という倫理的な問題を抱えている。

着床前検査は妊娠率向上や流産率低下のためだけでなく、子どもの健康を守るための取り組みとして重要性が高まっている。

子どもへの病気の遺伝を避ける「着床前検査」、日産婦が審査結果公表

 子どもが重い遺伝性疾患を引き継がないように、受精卵の段階で遺伝情報を調べる「着床前検査」が、国内で広がり始めている。検査の可否を審査する日本産科婦人科学会(日産婦)が28日に公表した2023年の審査結果で、以前は検査を認めていなかった疾患も承認していたことがわかった。日産婦は22年に審査の基準を緩和していた。

 着床前検査では、体外受精させた受精卵を数日培養し、100個ほどの細胞になった胚(はい)から細胞を数個採って遺伝情報を調べる。その結果をもとに、子宮に移植する胚を決める。

 着床前検査には、妊娠率の向上や流産率の低下を目的としたものがあるが、これとは別に、日産婦が今回審査結果を公表した子どもへの病気の遺伝を回避する目的のものがある。遺伝性疾患になるかどうかで、子宮に移植する受精卵を選ぶことになり、「命の選択」という倫理的な問題も抱える。