加島美術でこの道25年の凄腕目利きに聞く「美術作品購入の基本」と「審美眼を養う方法」

AI要約

東京のギャラリー・加島美術とBSフジ主催の「美術品入札会 廻 -MEGURU-」Vol.19 MAIN SALEについて、美術品仕入の責任者が解説。

初心者が美術品を購入する際のアドバイスや審美眼の鍛え方についての武井智宏さんのアドバイス。

美術品の保管やメンテナンスに関する武井さんのアドバイスや加島美術の対応について。

加島美術でこの道25年の凄腕目利きに聞く「美術作品購入の基本」と「審美眼を養う方法」

前回、8月24日から始まる東京のギャラリー・加島美術とBSフジが主催する「美術品入札会 廻 -MEGURU-」Vol.19 MAIN SALE(以下、「廻」)に先立って、同社で美術品仕入の責任者を務める営業部 部長の武井智宏さんに「廻」の概要を伺いました。第2回となる今回は、加島美術で美術作品を見続けて四半世紀となる業界屈指の目利きでもある武井さんに、初心者が美術作品を購入する際のアドバイスや、審美眼の鍛え方について教えていただきました。

前回の記事、「美術品入札会 廻 -MEGURU-」Vol.19 MAIN SALE が8月24日から開催 |珠玉の178点と出会える年に1度の特別なオークションへは関連記事から

美術オークションに興味があっても、購入後のアフターケアなどが難しそうで、なんとなく二の足を踏んでいる、という人は多いかもしれません。特に日本美術は「紙」や「絹」といった繊細な素材を扱うので、高温多湿な日本の住環境では保存が難しいのでは……というイメージもあります。そこで、武井さんに実際のところを聞いてみました。

すると、意外にも「実は、そんなに難しいことはないんですよ」と武井さん。「掛け軸はすべて専用の桐箱に収め、押入れなどに収納しておけば十分です。桐箪笥と同じように、桐は調湿機能、恒温機能にとても優れているので、温湿度をある程度自動調整してくれますから。この桐箱ひとつあれば保管は問題ないと考えていただいてOKです。また、室内に掛ける時ですが、昔の住環境ならすきま風が入り込んだり、虫が飛んできたり……といったリスクもありましたが、現代の住宅であれば、直射日光が当たらないようにしていただければ問題ありません」とのことでした。

さらに、「桐箱は収納性にも優れているんですよ。掛け軸は丸めて収納するので、1作品あたり、ほんのわずかな場所しか必要ないんです。このラックを見ていただくとわかりますが、何十作品もの掛け軸でも、この程度のスペースに収まってしまうんです」と、実際に同社で「廻」に出品される作品が収められた作品ラックを指さしながら教えてくれました。

また、加島美術では落札後の修理やメンテナンスについても承っているとのこと。「落札後、5cmだけ掛け軸の丈を詰めたい」「軸装ではなく、額装へと変更したい」など、さまざまな要望に柔軟に対応してくれます。

「お客様がどのように飾って楽しみたいのか、まずはご相談いただければと思います。補修やシミ抜き、額装仕立てへの変更まで、各分野で信頼できる職人との繋がりがありますので、いかようにも対応が可能です。また、表装や額装についての総合的なアドバイスもさせていただきます。もし入札前に合わせてご相談いただければ、修理や仕立て直しにかかる概算費用もお伝えできますから、入札の予算感が立てやすくなるかもしれませんね」