料理研究家が直伝!酷暑を乗り切る酸味が強めのクラフトビールで作る特別なピクルス

AI要約

クラフトビールの人気が高まっており、国内の出荷数量や醸造所の数が増加している。

クラフトビールは個性的なフレーバーとデザイン性があり、自分に合ったビールを楽しむことが人気の理由。

クラフトビールのペアリングは「国」「色」「味」の法則で考えるとおすすめされ、酸味のあるクラフトビールに合わせてピクルスを作ることも紹介されている。

 ここ数年、人気が高まっているクラフトビール。2022年の国内出荷数量は3年前と比較して約24%増の4万3745キロリットル。国内の醸造所の数も、4月1日時点で800社近くに達しています。

 クラフトビールはフレーバーが個性的で、パッケージのデザイン性も高いのが特徴。ただ飲むだけでなく「自分に合ったビールを選ぶ楽しさがある」という点が人気の理由の一つ。

 日々の晩酌や気分転換で料理を楽しむビジネスパーソンも増えています。クラフトビールとのペアリングを楽しみつつ、ビールを使って作るおつまみを栄養士の中川佑衣さんに教えてもらいました。余ってしまったビールでも作れるので、飲み切れなかったときは取っておいてくださいね。(吉川愛歩:編集者・ライター、写真:今別府紘行)

■ 「地ビール」から始まったクラフトビール

 もとは「地ビール」として注目を集めていた小規模醸造所でのビール。当時は醸造技術が追いつかず、あまりおいしくない、高い、というネガティブな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

 しかしその後、小さな醸造所でも高品質なビールが作られるようになり、じわじわと人気を集めるように。本格的にブームがはじまったのは、2020年ごろ。コロナ禍になり、家飲みが流行したことをきっかけに、さらに注目されるようになったのです。

 「クラフトビールは少量生産で、原材料や設備のコストを回収しなくてはならないため、通常のビールよりは割高です。そのため、コロナ禍で家を出られなかったときの“プチ贅沢”や“いつもと違う日常を味わう”ものとして、クラフトビールが注目されました。

 地域性のある原材料を使うなど、従来品にはなかったスパイスや柑橘のフレーバーを楽しむことができ、度数もノンアルから低アルコール、やや強めのものなど、好みやそのときの気分に合わせて選べるのが、クラフトビールの魅力のひとつです」(中川さん)

■ クラフトビールのペアリングは「国」「色」「味」の法則で考える

 最近では、専門店だけでなく、スーパーやコンビニでもクラフトビールを手に取ることができます。初めてクラフトビールを試すときのペアリングのコツは、「国」「色」「味」と3つの軸で考えるのがおすすめです。

 「一つは国。ドイツのクラフトビールならソーセージや肉料理と合わせる、というふうに、おつまみとビールの国を合わせていく方法。もう一つは色。茶色が濃いビールなら、唐揚げやビーフシチューなど、濃い茶色の食べものがおすすめ。最後は味。酸っぱいビールに酸味のあるチーズなど、同じ系統で合わせるパターンと、苦いビールに甘いデザートを合わせるという反対の方法もうまくいきますよ」

 今回は酸味があるクラフトビールに合わせて、ピクルスを作ります。