クオカード付き宿泊プラン、出張で泊まったら横領になる? 「累計で20万円もらった」という猛者も
出張先の宿泊費でクオカードをもらうと横領になる可能性があるかどうかについて相談が寄せられました。出張者向けのホテルで提供されるクオカード付きプランに関する疑問が浮かび上がります。
クオカードを特典として付与する宿泊プランには景品表示法による制限があり、20%以下の額が許容されています。適切に宿泊代とクオカードの関係が表明されていれば問題ないが、不正な手法でこの規定を回避することは違法行為となり得ます。
会社の許可なくこのような特典を利用することは横領罪の共犯となり得るため、注意が必要です。
出張先の宿泊費でクオカード(QUOカード)をもらうと横領になりますか?
そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
出張者向けのホテルの中には、「クオカード付き」プランをもうけた施設があります。このプランで宿泊すると、コンビニなどで使えるQUOカードを特典としてもらえることになっています。
例えば、「QUOカード3000円付」という1万円のプランがあったとします。その場合、会社には「宿泊費」として1万円を請求しながら、個人で使える3000円のQUOカードを手に入れられることになります。
冒頭の相談者は、この手法により、もらったQUOカードの累計は20万円にのぼるといいます。
裏技とも言える方法ですが、出張の多い会社員にとってはお馴染みのようで、SNS上にも様々な書き込みがありました。
「出張のホテルでQUOカード付きのとこばっか泊まってる」
「料金の8割がQUOカードで占められてるカプセルホテルとかやり過ぎでしょwww」
このような仕組みを導入しているホテルに問題はないのでしょうか。また、会社の許可を得ずにこうした宿泊プランを利用してQUOカードを自分のものにすることは罪にならないのでしょうか。
山田長正弁護士に聞きました。
ーークオカード付きプランを提供しているホテルに問題はないのか?
景品表示法によれば、「懸賞」によらずに提供される景品類は、本体価格の20%以下と定められています。
つまり、たとえば宿泊代金が10000円の時に特典として付与が可能なクオカード額は2000円までということになります。
もっとも宿泊とクオカードのセット販売であれば問題ありません。
しかし、実質的に見て、上記の景品表示法を免れていると評価できれば違法となりえます。
いずれにしましても、たとえば、宿泊代金費用として一括表示することにより、業務上横領罪の共犯的立場になる可能性がある点に留意する必要があります。