【不便な立地でも捨てないこだわり】南アルプス・光岳小屋の新名物「テカリの豚汁」はこうして生まれました

AI要約

イザルヶ岳での山小屋生活を楽しむ様子

食事提供メニューの変遷

豚汁定食への自信と挑戦

【不便な立地でも捨てないこだわり】南アルプス・光岳小屋の新名物「テカリの豚汁」はこうして生まれました

今シーズン初めて、イザルヶ岳にお散歩に行きました。山小屋から15~20分くらいのところにある山頂で、360度の展望が広がる気持ちの良い場所です。

 私は小屋からイザルヶ岳山頂までの森歩きが好き。自然の庭園の中を歩いているようで、気持ちがいいんだよな~。朝露のついた朝は、ダケカンバや下草が濡れて嬉しそう。

 イザルヶ岳から振り返ると、ちっこい小屋。帰る場所が見えるとほっとする。小屋がそんな存在になってきたことが嬉しい。

 光岳小屋がヘリで物資荷上げをできるのは年に一度なので、食事提供に使える食材はずいぶん限られてしまう。日持ちがする定番の食材としては、人参や玉ねぎなんかもあげるけど、最後の砦はじゃがいもだろう。

 どこの登山口からも遠いこの場所だからこそ、お客さんにはほっとする食事をお出ししたいとの思いから、1年目の夕食のメインメニューは「マッサマンカレー」を提供した。何度も何度も試作したっけ。

 実際にやってみると、鶏肉を結構使うので油がすごかった。お客さんは喜んでくれたけれど、山小屋である以上は環境にも配慮したいと思っているのに、これってどうなのだろうと思い始めた。

 2年目となった昨年は、台風の影響で急遽素泊まり営業のみになってしまい、食事の提供はしていなかった。しかし、今シーズンは食事提供が復活!メインメニューは「豚汁定食」に変わりました。

 具材たっぷりの汁物なら疲れた時でも食べられる。それに、味噌ってほっとするし元気が出る。

 じつは、豚汁は1年目からメニューの候補に上がってはいたものの、「メイン料理にはなれないな~」とか「おかずにならないな~」なんて思って諦めていた。でも、今シーズンの食事を考えているうちに「やっぱり豚汁って、妙案に違いない!」という不確かな自信が湧いてきて、まあまあ、あまり考えすぎずにまずはやってみようとあいなったわけだ(相変わらず見切り発車の私です)